閉経が早い人と遅い人の違いについて
このページでは閉経が早い人と遅い人で何が違うのか具体的な原因から書いてみたいと思います。
閉経が早まる人の原因
月経に直接かかわっているのは卵巣です。そのため卵巣の機能低下などで閉経が早まります
卵巣は直接的に月経とかかわっています。当然閉経ともかかわってきます。
閉経とは出血が起こらなくなった状態ですが、なぜ出血が起こらなくなるかというと、それは排卵が起こらなくなるためです。
なぜ排卵が起こらなくなるのか?
それは排卵する卵がなるなるのも一つの理由です。
ではなぜ排卵する卵がなくなるのか?
それは女性の場合、赤ちゃんとして生まれた時からもうすでに卵巣の中に卵は出来上がっていて、それ以上増えることはないのです。
そのため、排卵の回数が多ければ多いほど卵はなくなります。
排卵の回数が多いとはどういうことが考えられるでしょう?
妊娠したことがない
妊娠したことがない方は通常であれば毎月生理があるわけです。
それに比べ何人か妊娠されていれば、妊娠中は排卵がありませんから、その間は生理もありません。卵もその分残りやすいです。
生理周期が短い
例えば40日周期で生理が来る人は年間で9回の排卵が起こりますが、それが24日周期で生理が来る人の場合は年間で15回排卵が起きます。
その分だけ卵は減りやすく、閉経も早い可能性があります。
生理が始まったころから生理不順
もともと生殖器の機能が弱い方は早めに閉経しやすいと思います。
その目安がもともと生まれ持ったポテンシャル的なもので、生理不順もその指標になると思います。
卵巣の病気を患ったっことがある
卵巣嚢腫、チョコレート脳腫、卵巣がんなど卵巣の病気を患ったことがある場合、摘出手術もしくは部分摘出している場合、残卵が減っているため、閉経になりやすい可能性があります。
抗がん剤を使ったことがある
抗がん剤はすべての細胞の働きに異常を起こしやすくさせます。
場合によっては細胞を殺してしまいます。
抗がん剤を使ったことがある人は卵巣の既往が低下し結果として閉経が早く来る可能性があります。
脳下垂体をコントロールしているのは間脳です。そのためその大元の間脳に異常があると閉経が早まることがあります
間脳は自律神経系の中枢でもあります。
そのため自律神経に乱れが生じると間脳にも問題が生じ、ホルモン分泌に異常をきたすことがります。
具体的には自律神経失調症などです。
自律神経失調症は原因のはっきりしないときも結構ありますが、その引き金がストレスであることも良くあります。
ストレスが原因で自律神経が乱れその結果として生理が来なくなって閉経してしまうケースは時々みかけます。
若い女性に多いと思います。
子宮を摘出すればすぐに閉経状態になります
当たり前ですよね。
子宮がなくなると内膜も厚くなりませんし出血もしようがありません、そのため閉経状態になります。
これは子宮がんの患者さんさや重度の子宮筋腫、子宮腺筋症などで子宮を摘出した患者さんに生じるものです。
閉経が遅くなる原因
排卵回数が少ない場合
閉経は残卵数とも関連があります。残卵数が多ければそれだけ閉経は遅くなりがちです。
そのため残卵数が多く残っているような状況であれば、当然閉経も遅くなりやすいです。
お子さんがたくさんいる(出産した人数が多い)
出産した人数が多ければそれだけ排卵していないですから残卵数が多いため閉経が遅くなる可能性が高いです。
多のう胞性卵巣だった
多のう胞性卵巣は排卵障害を起こす病気です。そのため排卵が起きない分だけ、卵が残っており、閉経が遅くなる可能性が高いです。
もともとの生理周期が長い
もともとの排卵のリズム40日であれば、通常1年で12回排卵するところが9回しか排卵しないことになります。
その分だけ残卵数が多く、閉経が遅く成る可能性が高いです。
もともと卵巣の働きが強い
体質的に卵巣の働きが活発なため、それが長く続いて結果として閉経が遅くなるという可能性もあります。
月経についての基礎知識
興味があれば読んでください
閉経とは
辞典関係の記事を簡単に抜粋すると次のようなことが似たり寄ったりで書かれています。
閉経とは・・・月経が止まること→すごくシンプルに書くと確かにそうです。
もう少し詳しく書くと・・・年齢に伴って徐々に経血が減少していき、特別な理由もなく最終的に月経が1年以上来ない状態のことをいいます。
これでなんとなくわかりますか?
では月経とはなんでしょう?ここら辺の定義や意味が分かると、閉経が早い人と遅い人の違いも分かりやすくなると思います。
月経とは
さてさて月経とは何でしょう?
一般的には思春期以降(平均すれば12歳前後)の女性に起こるもので、およそ30日前後の周期で起こる子宮内膜がはがれて出血を起こす生理的な現象のことです。
通常は初潮から30~40年毎月起こるものです。
一般的には生理といいう言葉で代用されています。
通常、月経の期間は5~7日くらいが普通ですが、加齢に伴って多くの場合出血量および、出血する期間は短くなってくるのが一般的です。
ではなぜ月経が起こるのでしょう?
ここら辺のところがわかると閉経が早い人と遅い人の違いも少しわかりやすくなるのではないかと思います。
月経の起こる仕組み
月経の起こる仕組み、月経の周期はホルモンによってコントロールされています。
一番簡単な月経周期と女性ホルモンの関係はまず脳下垂体からFSH(卵胞刺激ホルモン)が出ます。
それが卵巣に作用することで、卵巣内の卵胞が刺激を受け育ちます。卵胞が育つと、その卵胞から卵胞ホルモン(エストロゲン:E2)と呼ばれるホルモンが出ます。
これによって子宮内膜は肥厚してきます。
そしてこの卵胞ホルモン(エストロゲン:E2)の量が増してくると先ほどのFSH(卵胞刺激ホルモン)の分泌が低下し、代わりに黄体形成ホルモン(LH)の分泌が盛んになります。
このホルモンによって卵胞から卵子が排卵し、排卵した卵胞が黄体へと変化するのです。
そしてこの黄体からは黄体ホルモンが分泌されます。
この黄体ホルモンは高温期の維持する働きや黄体形成ホルモン(LH)、妊娠した場合は妊娠を維持する方向に働きます。黄体ホルモン(プロゲステロン:P4)が出続けるかどうかは受精卵が着床するかどうかがスイッチの役割をしているのです。
もし着床しなければ、黄体ホルモン(プロゲステロン:P4)の分泌が低下し、厚くなった子宮内膜が剥がれ落ち月経(生理)が起こるのです。
この仕組みの中に閉経が早い人と遅い人の違いの違いが生まれるヒントが隠されています。
そこ部分をまとめるとこうです。
閉経(月経)に関連する体の部位で重要なのは脳下垂体、卵巣、子宮
この3つのいづれかに問題があると月経異常が起こります。当然、月経が早く終わる閉経も関係するのです。