昨日の話です。

今年の2月の下旬ころからうちの薬局に漢方相談に来られている不妊治療患者さんが来られました。

この方は以前うちで不妊治療されて妊娠・出産された患者さんの紹介で来られたのです。

最初に来られた頃は、頭痛や生理痛がひどいと言いうこともあって、そこらへんも一緒に相談したいということだったです。

生理痛を起こす原因はさまざまありますが、一番多いのは血虚とお血です。血虚とは血が不足するという意味ですが、イコール貧血ではありません。

漢方の血虚とは女性ホルモンの不足+貧血みたいな感じの意味です。

お血は血液の滞りでまあだいたい血行不良と考えてもらってもいいと思います。

この2つ以外にももう一つ大きな原因となる問題があります。

それは五志です。

五志とは簡単にいえば、情緒や自律神経系などの問題です。

ここら辺が問題にあることがあります。

ここでなぜ生理痛について書いているかというと、漢方的には生理痛を起こす原因と不妊の原因が同じことがけっこうあるからです。

つまり生理痛の原因を治療するのと不妊治療が一緒というひとが結構いるということです。

そして生理痛がよっくなったときに妊娠するということもあるのです。

この方の場合の不妊の原因と生理痛の原因は一部重なっていたと思います。

原因は血虚でした。ただし、この方の舌をみるとかなりひどいお血(血行不良)もありました。

こういう場合、同時に治療すべきか、先にどちらかを優先して治療するか?迷います。

でも今回は血虚を改善する漢方薬を継続して使いました。

そしてこの方は、年齢は若いのですが、自然周期での体外受精を行ったのですが、その検査途中に子宮内膜ポリープが見つかりました。

子宮内膜ポリープの原因はお血なので、やっぱりお血も不妊の原因としてはあったのかもしれませんが、ポリープは病院で手術してもらうことにして、漢方では血虚(女性ホルモン不足)に絞って治療しました。

そして3回目の採卵で卵が凍結できて、その卵をもどして、1発で妊娠されました。

妊娠後はHCGなどを計って不足気味ならホルモン剤が投与されるのですが、投与の必要なしということでした。

こうゆう場合は、流産止めが必要になる場合があり、この患者さんも流産止めを希望されたので、出すことにしました。

その漢方薬は・・・やっぱり血虚の薬でした。

昨日、来られて病院の検査で順調に育っていて心拍確認もできたとのこと、次に病院に行ったら卒院だそうです。

だいたいの方は10週を超えれば大丈夫なので、次順調であればと思っています。

とりあえずホッとしました。