中学生の男の子で夜尿症の患者さんが親子で来られました。

この患者さん、今までは病院の泌尿器科で夜尿症の治療を、小学校3年の頃から中学校の頃までずっと受けていたそうなのですが、病院で出される薬を飲んで膀胱の大きさや尿量などを測定しても結局まったく何も良くならなかったということで、現在はもう病院には行っていないそうです。

でも、来年の学校の宿泊行事に伴って、それまでになんとか夜尿症を治したいということで漢方相談に来られたのです。

漢方飲まれるの初めてということで、夜尿症の原因を漢方的に考えるとどのように考えるのか?そしてそれに対する漢方薬はどのようなものなのか?という話をしました。

そしてこの患者さんの夜尿症の原因に関して漢方的な問診や東洋医学的な様々なチェックを行ってみたところ、眠りが深すぎて尿意に気づかずに夜尿症が出てしまうのではないか?という結論に至りました。

このような原因の場合、若干だけ身体を興奮させるような漢方薬を用いると夜尿症が改善することがよくあるのです。

そこで、お母さんと、このお子さんにそのような説明をして、少しだけ興奮させるような漢方薬をとりあえず15日間服用していただくことにしました。

この夜尿症の患者さんの場合、1ヶ月の間で夜尿症をしない日というのは1日か2日だそうです。

つまり15日間隔で考えていくと15日中14日は夜尿症をしてしまうわけです

漢方薬が合っている場合 服用して2週間ぐらいでも夜尿症の回数が減ることはよくあります。

ただほ、ぼ毎日夜尿症が出るようなタイプの患者さんの場合は、原因が二つくらいあることが多く、ひとつの漢方薬で良くなるのは半分ぐらいまでのことが多いのです、。

つまり 1ヶ月で見たとき半分の15日ぐらいまでは漢方薬が合っていれば改善してくる可能性があるのです。

でも夜尿症の原因が二つある場合は、ここら辺で頭打ちになることがあるのです。

この話も含めてお話ししておきました。

そしてこの15日間の間で夜尿症がいつもより何日か減ったら、それは漢方薬が効いていると判断していいという話をしておきました。

そして15日後、この患者さんが漢方相談に来られました。

「夜尿症の回数はどうですか?」と伺いしたところ、夜尿症が出た日が15日中6日、出てなかった日が15日中9日という結果でした。

劇的な改善です。

病院に何年も何年も通っても全く変わらなかったのに漢方を服用してたった2週間でこんなに変わるとは思っていなかったようです。

こんなことならもっと早く漢方飲めば良かったと言っておられました。

夜尿症に関して言えば、ほぼ病院の治療よりも漢方の方がいいことの方が多いと私は思っています。

ただ100%こんなに早く結果が出るわけではないです。

実際には試行錯誤しながらやっていくことの方が多いです。

しかし試行錯誤しながら続けてもらえば徐々に改善していくことの方が多いのです。

この患者さんも完全になくなるにはまだまだ時間がかかると思いますけれども、とりあえず夜尿症の回数が半分以下に減ったということで ひとまずほっとしました。