ニキビの患者さんが来られました。この方以前はそれほどニキビに悩んだことはなかったそうなのですが、手術を受けた後から、ニキビが出るようになったといわれるのです。そしてその後、漢方薬局に通われて、少し落ち着いたそうなのですが、完全ではないので、もう少しよくしたいということで、再び別の漢方薬局に通い始められたのです。ところがその薬局に通い始めてから、落ち着いていたニキビがむしろ悪化して不安になって相談にこられたのです。問診でお話を聞いているうちに、そこで出された処方を気功でチェックするまでもなく、間違いなく合っていないと思いました。
この方のニキビは口の周りと顎の中間ぐらいでそれだけでは原因の見極めがむずかしいところかもしれませんが、問診でちゃんと確認すれば決定的にわかる項目があります。口の周りのニキビ・吹き出物は一般的に胃腸の問題である場合が多いのです。顎下のニキビ・吹き出物は一般的に女性ホルモン異常によって生じる場合が多いのです。そうするとこの方は胃腸の問題か、女性ホルモンの異常がニキビ・吹き出物の原因となっている可能性が高いわけです。もし胃腸の問題であれば、食事によってニキビ・吹き出物の状態が変わる可能性が高いわけです。ただこの方はかなり食事に気を使われていて、食事だ悪化することは最近では起こらないそうです。というのも、もともとこの方胃腸は丈夫でないそうなのです。特に油ものには弱いといわれていました。ここら辺からも胃腸の問題が怪しく感じられます。
あともう一つはもし、女性ホルモンの影響で症状が出ているのであれば、何らかの形で、生理とニキビ・吹き出物が関係してくるものなのです。ところがこの方、ニキビ・吹き出物と生理周期とは関係がなさそうだといわれるのです。つまり周期によって悪化したりしないというのです。
そうすると漢方的には女性ホルモンに影響を与えるような漢方薬は合わないはずです。ところがこの方に出ていたのは血虚(女性ホルモンの調整を行う)に対する薬でどちらかといえばその作用は強いものなのです。つまり補血に偏った処方なので、血虚があるときにはよく効くのですが、血虚がなければはっきり悪化するのです。この方ははっきり悪化したのではないかと思われたのです。そこで改めて気功でチェックをすると・・・はやり予測通りこの薬がニキビ・吹き出物を悪化させていたようです。ということでこの薬をお休みしていただいて、胃腸を整える漢方薬を飲んでいただくことにしました。また経過を掻きたいと思います。