大人になってもニキビに悩んでいる方は意外に多いと思います。大人のニキビと思春期のニキビには何か違いがあるのでしょうか?

大人のニキビと思春期のニキビの違い

思春期のニキビの大きな原因はホルモンバランスの乱れと過剰な皮脂の分泌によるアクネ菌などの繁殖などがあげられます。このホルモンバランスは成長過程の自然現象であるため時間が経てばおさまってきますし、アクネ菌など問題はテレビでもおなじみの硫黄の入った殺菌作用のある外用の医薬品を使えば改善することがあります。ところが大人のニキビは思秋期のニキビのように原因が単純ではないのです。

大人のニキビを生じさせると考えられている原因

大人のニキビを生じさせる原因は非常に様々です。というのもいろいろが原因が複雑に絡んでいるのが大人のニキビなのです。

女性ホルモンの乱れ

これも様々な原因で起きてくるのですが、生理不順や、妊娠、出産、血の道などが直接的な原因かもしれません。ただしこの原因を生じさせる原因は今からあげてゆく女性ホルモンの乱れ以外の原因が関係しているともいえるのです。

スキンケアの問題

間違ったスキンケアをすることによって生じることはよくあります。やってはいけないのが、自分の肌質を考えずすぐに新製品に飛びつくやりかたです。新しい製品は特別な成分が入っていたり、バンバンコマーシャルをうつので魔法のようによく効くのではないかと錯覚してしまうのですが、それはやはりほとんど錯覚です。
あと気を付けるべきはスキンケアの延長線上にあるピーリングです。大人になってからのピーリングは非常に気を付けた方がいいです。特に乾燥肌のひとはやるべきではないと思います。

夜更かし・睡眠不足

これも結局、女性ホルモンをはじめとするホルモンバランスを乱し、皮膚の回復力を低下させるためよくありません。

ストレス

これは自分ではどうしようもない場合もありますが、これによって睡眠の問題や過食の問題、生理周期の乱れなど、そうして最終的にホルモンバランスに影響を与えてしまうことになりかねないのです。

活性酸素

紫外線やタバコ、ストレス、排気ガスなどの影響によっても活性酸素は発生します。活性酸素は体を錆びさせる。もっと言えば老化を早めるものなのです。つまり皮膚の回復力を奪ってしまうものなのです。

冷え性

これはファッション性を優先するあまり薄着をしすぎてしまう結果やクーラーが効きすぎた職場での仕事、冷たいものの摂りすぎなどが原因になります。この冷え症によって体の新陳代謝が低下するため、皮膚の再生や皮脂の分泌が不十分になってしまう可能性があるのです。

ダイエット

急激なダイエットはホルモンバランスの乱れを生じさせ、ひどい場合には生理不順を生じさせます。それによってさらに皮膚の状態が悪化することが考えられます。また偏った食事によるダイエットは栄養障害を引き起こし、ビタミン不足やミネラル不足などを生じ、肌のトラブルを発生させる原因となります。

食生活の乱れ

これが一番多くて一番重要かもしれません。偏った食事は上記のダイエットのところでも書いたように、ホルモンバランスの乱れや栄養障害による肌のトラブルを発生させやすくなります。またお菓子の摂りすぎは血液の流れを障害したり、皮脂の過剰な分泌を促す結果につながることもあります。

便秘

ダイエットや食生活の乱れやストレスなどによっても起こってきます。これになると、腸にたまった毒素が再吸収されてしまう結果、肌荒れの原因になってしまいます。

※結局様々な原因は複雑につながっているものなのです。

大人のニキビの症状

出てくるニキビの部位の傾向

傾向としては顔の上の部分より下の部分に出てくるケースが多いと思います。口のまわり、顎、顎から首までの部分、首、鎖骨周辺、背中あたりまでがよく見かける大人ニキビに出てくる部位です。

大人ニキビの漢方薬による治療

傾向としては女性ホルモンのバランスをとる漢方薬を使うケースが多いです。若いときは炎症を取り除く作用の強い漢方薬を使うケースの方が圧倒的におおいのです。

大人ニキビに使う代表的な漢方薬

桂枝茯苓丸・・・血液の流れを良くする作用があります。ニキビ跡がしみのようになってしまったようなものにも使うことがあります。
当帰芍薬散・・・女性ホルモンが不足した結果として起こるようなニキビに用います。
温経湯・・・桂枝茯苓丸と当帰芍薬散の中間くらいの患者さんに用います。生理とニキビ・引き出物が関連しているようなケースに用いることが多いです

桃核承気湯・・・とても血流が悪くなっているような場合に用います。

大人ニキビの養生法

女性ホルモンの乱れに対して

直接的にはこれがいいというものはありません。バランスのとれた食事と規則正しい生活によって徐々に改善する可能性があります。

スキンケアの問題に対して

洗いすぎず、化粧品を付け過ぎず、化粧品をあまりころころ変えず、抗菌的なものよりも敏感肌用のものの方が合う方が多い気がします。

夜更かし・睡眠不足に対して

夜更かしを止める、睡眠時間をちゃんととる、一定の時間に寝るという基本的なことを守ることです

ストレスの緩和

毎日できるだけ、その日のうちに発散する。持ちこさないことが重要です。自分のストレス発散方法見つけることはとても重要です。

活性酸素に対して

煙草を吸わない、鮮度の良いものを食べる、時間のたった油ものをできるだけ食べない、ファーストフードは極力避ける。

野菜を積極的に摂取することが重要です

冷え性に対して

薄着をしない、シャワーだけで済ませず、ちゃんとお風呂に入って湯船につかる、生野菜、果物(南国のもの)アイスやビールなど冷たいものを食べ過ぎない

ダイエットに関して

基本ダイエットはやらない、少なくとも栄養の偏ったダイエットは行わないのが基本です

食生活の乱れに対して

バランスのとれた食事を心がける、できるだけ旬のものを摂る

便秘に関して

適度な運動、適度に水分、繊維質の多い食事などを心がける