病院で出されるアトピー湿疹の外用剤(塗り薬)について

皮膚科の病院やクリニックでの治療は主に外用剤によるものがほとんどです。

そしてその治療の中心的な役割をしているのがステロイド剤です。この治療は基本的には対処療法です。

この治療で良くなる方も実際にはおられます。

それはこの薬で治るのではありません。

自分でなる力が出てくるまでの間抑えることで、自分の自然治癒力が高まってくるのを待っている状態なのです。

ただしステロイド剤は諸刃の剣で炎症は抑えますが、同時に免疫抑制剤でもあります。

そしてステロイドはフィードバックシステムによって体の中で一定量になるようコントロールしているため、外から入れることを続けてゆくと、自分自身で作らなくなってしまうのです。

それによってステロイドをやめることが難しくなるのです。

ステロイドの長期使用による様々な問題を恐れて急に止めてしまうことよって生じるリバウンド症状が代表的なものです。

それ以外にステロイドを続けることで生じる問題もあります。

ステロイドは短期的に使えばとても有効な薬ですが、長期使用してゆくと問題の出てくる使い方の難しい薬でもあるのです。

主なステロイド外用剤の分類
ステロイド外用剤はその強さによって5段階に分類されています。その強さによって使う時期や使用部位なども異なることがあります。ステロイドは例えるなら火事の時に使う消火器と同じようなものです。火が強ければ強力なものが必要です。

ステロイド外用剤(最強)
デルモベート(クロベタゾールプロピオン酸エステル)
作用・・・強力な抗炎症作用、長期大量使用で全身作用有
重大な副作用・・・白内障、緑内障、眼圧亢進

ジフラール(ジフロラゾン酢酸エステル)
ダイアコート(ジフロラゾン酢酸エステル)
重大な副作用・・・白内障、緑内障、眼圧亢進、皮膚の細菌・真菌感染症、下垂体、副腎皮質系機能抑制
ステロイド外用剤(かなり強力)
リンデロンDP(ベタメタゾンジプロピオン酸エステル)
吉草酸ベタメタゾンより強い皮膚血管収縮作用
ネリゾナ(ジフルコルトロン吉草酸エステル)
アンテベート(ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル)
フルメタ(モメタゾンフランカルボン酸エステル)
特徴・・・局所抗炎症作用が強く副作用(皮膚萎縮作用および全身作用)が少ない

ステロイド外用剤(強力)
ベトネベート(ベテメタゾン吉草酸エステル)
リンデロンVG(ベテメタゾン吉草酸エステル)
重大な副作用・・・眼圧亢進、緑内障、白内障
フルコート(フルオシノロンアセトニド)
重大な副作用・・・眼圧亢進、緑内障、白内障

ステロイド外用剤(中等度)
ロコイド(ヒドロコルチゾン酪酸エステル)
アルメタ(アルクロメタゾンプロピオン酸エステル)
キンダベート(クロベタゾン酪酸エステル)

ステロイド外用剤(弱い)
ビスオ(プレドニゾロン)
テラ・コートリル(ヒドロコルチゾン)