みなさんは、水洗顔をご存知ですか?

私は一度うちの薬局で水洗顔を実践された患者さんを知っています。

この方はニキビに悩まれて薬局に来られた方です。

最初のうちはごく普通にニキビケアをされて、食事に気を付け、漢方薬を飲まれていました。

症状としては、良くなったり、悪くなったりを繰り返しながら徐々に改善しているように感じていました。

ところが突然、その患者さんが来られて、開口一番私水洗顔はじめようと思いますといわれれたのです。

その当時当然私は水洗顔のことなど知りませんでした。

正直水洗顔と聞いて、今まではぬるま湯で洗顔していたのかな?

程度のことしか思いませんでした。

知らない方もおられるかもしれないので、簡単に水洗顔について説明したいと思います。

水洗顔は洗顔の際に、洗顔料を用いずに、水のみで洗顔するという洗顔方法です。

そして多くの場合、それに化粧水なども使わないというやり方がセットになっている場合が多いようです。

水洗顔を推奨してる方のブログなどを読むと、水洗顔の目的は、洗顔料を使わないことで皮膚の洗いすぎを防ぎ皮膚のターンオーバーを正常化させるためと説明してありました。

確かにニキビの患者さんの半数くらいは一見オイリーに見えたりする場合もあります。

その中には洗顔料による洗顔のしすぎで一時的に皮膚が乾燥するため、その乾燥から皮膚を守るため、皮脂腺から過剰に皮脂を分泌する場合もあるようなのです。

水洗顔はこの部分を正常化させようとしている。

にきび治療イメージ

自分の皮膚の自然治癒力にまかせるという感じなのかもしれません。

非常に素晴らしい理念に基づいた水洗顔なのですが、これが実際やってみると、とても大変なのです。

何が大変かというと・・・本人の皮膚です。

ニキビの皮膚の状態が嫌で来られたのですが、水洗顔を始めてしばらくすると皮膚がめちゃくちゃ荒れてくるのです。

粉をふいた状態になったり、角栓と呼ばれる白い脂肪のようなつまんだらとれるにょろにょろしたものが毛穴に詰まってきたりします。

なんというかこれを始めてから、正直薬局に最初に相談に来られた時より格段に皮膚の状態は悪くなったのです。

このやりかた本当に大丈夫か?と思ったのですが、本人の意志は固く、これも想定内ということで、全く動じなかったのです。(少なくともどうしていないように見えました)

さらに時間数か月が経つと、良くなるどころかさらに皮膚は悪化していきました。

どんなふうになったかというと・・・もともとニキビがあった周辺にカビ?かなにかわかりませんが、くっついているようになったのです。

はたで見てもかなりやばい状態です。

どんな感じかというと、顔の皮膚に直径1~2mmの緑色をした大きな点が点在するような感じでした。

繰り返しますが、その点々は緑色だったのです。

それでも本人は動じずつづけました。

そして半年を超えてから皮膚に少し変化が見られるようになりました。

そのあいだ漢方薬は飲み続けられました。

そしてさらに数か月すると、緑色の点はなくなりました。

その緑色の点のあったニキビの箇所は・・・ニキビ跡もなくすっかりきれいになっていました。

そして漢方を服用されて1年くらい経過した頃、皮膚も見違えるほどきれいになり、生理周期に影響を受けていたニキビもまったく影響されなくなりました。

そこで治療終了となったのです。

この経験から言えば水洗顔は有効かもしれません・・・でも相当の覚悟が要ります。

ぶれない心をお持ちの方がおられれは、1年くらいかけて試されるのも一つの方法かもしれません。