以前に膝の治療に来られていた患者さんが再びご相談に来られました。
ご相談内容はアルコール性膵炎?です。
この患者さんは病院嫌い?なのか身体に不調が出ると病院に行かずに私の薬局に来られるのです。
そのため、確定診断とかではないので、はっきりとしたことは言えないのですが、ご本人がそういわれるし、話を聞いた私もその可能性は高いように思いました。
どうしてそう思ったのかというと、この患者さん現在緑の便が出ているそうなのです。
緑の便は鉄剤の服用やクロレラなどの藻類の健康食品の服用でも起こりますが、この患者さんはそういったものは一切服用されていません。
あとは、感染性腸炎などでも起こる可能性はありますが、この患者さんは現在感染症ではありません。
また緑色野菜を過剰に摂取してもいません。
そうすると、消化器系の機能低下、胆汁が過剰に腸内にあるか?などが可能性が高いと考えられるのです。
そして、何より、この症状が出るようになったきっかけが、もともと、相当お酒を飲む方で何十年もお酒を飲み続けていて体調が悪くなってきて、一時お酒を控えていた時期もあったそうですが、最近お酒をまた結構飲むようになって、飲み過ぎた翌日からこの症状がでるようになり、身体もしんどいということでした。
実は以前から時々緑の便はでることはあったそうなのですが、今回は酷くて続いているそうなのです。
そして、調子が悪い時は下痢~軟便傾向になるというこで、今回もそのような感じのようです。
これらの事を考え合わせると消化器系の問題だろうと思いました。
そこで東洋医学的な問診やそれ以外の東洋医学的なチェックを行った結果、肝臓や胆管も怪しかったのですが、やっぱり東洋医学的にすい臓の反応の出るポイントに反応が出ていることから、すい臓に問題があるように思いました。
そこで、すい臓を良くするような漢方薬の中からこの患者さんに合いそうな漢方薬を選んでとりあえず2週間服用していただくことにしました。
あとは、当たり前ですが、お酒を控えるようにお願いしました。
そして2週間後来られた際に様子をお伺いすると・・・
緑の便は普通の便に戻ったそうです。
そして、身体の状態も完全ではないですが、前よりは良いという事でした。
そこからは大体1ヵ月分のお薬をお出しして様子をみていただくようになりました。
漢方薬の服用で少しずつですが確実に体調は改善していきました。
ただ、やはり、お酒の量が増えると体調がおかしくなりました。
それでも、その体調悪化の頻度や度合いも漢方薬を続けて服用していただくことで改善していきました。
膵炎?に関しては随分症状は安定してきましたが、この患者さん、仕事や家庭などストレスがかなり強い環境におられるみたいで、そのストレスのかかり具合が酷いと睡眠障害や喘息の症状が出たりしました。
そのような時には、膵炎?の漢方薬とその新しく出てきた症状に対する漢方薬を一時タイミングをずらして服用していただきました。
突発性のストレスからくると思われるそれらの症状も漢方薬の服用で改善しました。
そしてしばらくは調子が安定していたのですが、下腹部の圧迫感や痛みが出たのです。
この症状に関しては婦人科の問題の可能性もありましたが、これも、東洋医学的にチェックした結果やっぱりストレスが原因の気がしました。
そこで、またストレス時に用いる漢方薬の中から、この患者さんの体質と症状に合うものを選んで服用していただいたところ、3か月間くらいかかりましたが症状が改善しました。
また、この患者さんは、すい臓や胆のう?胆管など油の消化に関する部分が非常に弱い方だったので、食事の内容によっても調子を崩されることがよくありました。
そのため、食養生に関してはその都度お話しして、この患者さんの調子を維持するためのこの患者さんにとっての食事のコツみたいなものをお伝えしました。
これきっかけではないですが、漢方薬を服用しながら、食事に気を付け。仕事や生活全般気を付けるようになってきたこともあったと思いますが、1ヵ月の間で悪くなる日数や度合いも減り、基本的に悪化することは無くなりました。
そこからさらに数か月間、体質改善のために漢方薬を継続してもらい、もう再発することは無いと思われるレベルまで到達したので、治療を終了することにしました。
けっこう時間がかかりましたが、治療を終えることができてよかったです。
さらに
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