HPをみて患者さんが来られました。

症状をお伺いすると、パニック発作のような症状、不安感、息が気でない(息がしずらい)、手の震え、動悸、夜中に何度も目が覚めるなどだそうです。

どのくらい前からこの症状が出ているのかお伺いすると、約3年前からだそうです。

どのような治療を受けれているのかお伺いすると、基本的には病院には通っていないそうです。

ただ、時折、頓服で安定剤を使用するため、それをもらうために不定期で病院に行っているということでした。

今までは自律神経を調整してくれる整体に通っていたそうですが、一進一退ということでご相談に来られたのです。

そこでさらにこの病気についてお伺いしました。

これらの症状がどういう時に起こりやすいか?

についてお伺いすると、車の運転中になりやすいとのことでした。特に高速道路やトンネルの中で起きやすいとのことでした。

また、仕事中にも起こるそうで、ストレスが大きくかかる時に症状が出やすくなるとのことでした。

また、この病気になった原因についてお伺いすると仕事のストレスなのではないか?ということでした。

これらの話を一通りお伺いして、不安神経症(パニック障害)の可能性が一番高いように思われました。

ただ、漢方の場合は病名で漢方薬を選ぶわけではなく、その患者さんの性格や体質、現在の症状などから総合的に考えてゆくので、厳密な診断名が必ずしも必要ではないのです。

ただ、精神同じ因性の問題ということでこの患者さんに合う漢方薬を探してみることにしました。

そして、最終的にはやはり不安神経症(パニック障害)に用いられることの多い漢方薬の中にこの患者さんに合いそうなものを見つけました。

漢方治療イメージ

それをとりあえず1週間お出しして2週間後に来ていただくことにしました。

2週間後来られた際に様子をお伺いすると、まず、すごく良く眠れるようになったそうです。

そして息苦しさも無くなったそうですが、動悸はすることがあるそうです。

ただ、車の運転ではまだざわざわしたりするそうです。

全体的には良さそうだったので今回も2週間分で様子を見ていただくことにしました。

そして2週間後来られた際に様子をお伺いすると・・・

トンネルを通るのは大丈夫だったそうです。高速道路は乗っていないからわからないとのこと。

そして今回は動悸も無かったそうです。

そこで今回は3週間分お出ししました。

そして3週間後に来られた際は・・・

仕事のストレスがかかっている時にもパニックっぽい

症状も出なかったそうです。動悸も無く、トンネルも大丈夫で、よく眠れて順調に思えました。

そのため、次も3週間分で、その次に来られた際も3週間分お出ししました。

正直あとは漢方薬を飲まなくなっても症状が出なくなるくらい体質改善が進むまで同じ漢方薬を服用してもらえばいいくらいに思っていました。

ところが、この3週間過ぎてご相談に来られた際に、良くなっている気がしないと言われたのです。

一時期は安定剤の頓服を飲まなくてもすんでいたのに、飲まないと不安になるそうです。

体質改善イメージ

ご自身の感覚としてはちょうどこの時期が花粉症の時期だったのですが、花粉症の症状が出始めてから再び息苦しさが出てきた気がすると言われていました。

そのため、再度漢方薬を見直しましが、ベースの漢方薬は合っている気がしました。

そこで、別の漢方薬をさらに追加してみることにしました。

しかし、この漢方薬は合わなかったため、再び相談に来ていただきチェックしなおすと・・・

今服用されている2種類の漢方薬の飲む量の比率を変化させれば良いように思いました。

この変更によって体調は若干持ちなおしました。

しかし、また、次の相談日には調子を崩されて、ベースの漢方薬の一つを変更して様子を見ていただきましたが、体調は万全という感じではありませんでした。

そのため、この頃は1週間に1回くらいの頻度でご相談に来ていただきました。

それでも何かおかしい・・・この出している漢方薬が全く合っていないという感じではないですが、少なくとも根本的な体質改善につながっていない気が何となくしていました。

そこで改めて一から、問診も東洋医学的なチェックも含めしなおしてみることにしました。

そうすると・・・

女性ホルモンのバランスの乱れの反応が出ていて、これが精神的な反応の出るポイントと関連しているように思われました。

更年期障害イメージ

現在の年齢から考えると更年期障害も無くはないです。

ただ・・・発症した3年前はまだ30代ですし、この患者さんはお子さんもおられますし、卵巣機能が著しく低下する要因も、更年期らしい症状も無かったため、最初から更年期のことは考えていなかったのです。

しかし、実際に患者さんに来ていただいて、改めてチェックしなおすと、どうもメインは更年期障害の気がしました。

そこで更年期障害に用いる漢方薬の中からこの患者さん合うと思われるものを選らんで服用していただくことにしました。

そして、次来られた際には、今までよりも症状が落ち着いているように思われました。

そのため、同じ漢方薬を再度服用していただくことにしました。

そして、次来られた際にはさらに症状が落ちついてきました。

そこで、再度同じ漢方薬をお出ししました。

そして、次、来られた時にはベースとなる漢方薬は変わらず、少し修正を行いました。

今回は、根本的な体質改善につながりそうな手ごたえがあります。

それにしても・・・更年期障害とは・・・

日々勉強ですね・・・

さらに、

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