紹介で患者さんが来られました。
ご相談内容は好酸球性副鼻腔炎です。
好酸球性副鼻腔炎は副鼻腔炎の中でも難治性と言われていて難病指定されているものです。
では通常の副鼻腔炎とどこが異なるのか?というと・・・好酸球性副鼻腔炎はアレルギー反応によって生じる副鼻腔炎です。
通常の副鼻腔炎はウイルスや細菌感染が原因で起こるので、この点でまず大きく異なっているのです。
そして、症状としては、両方の鼻の中に鼻茸といって鼻の中にポリープができるのが一つの特徴です。
それ以外に粘度の高い鼻汁がたくさん出る。それに伴う蓄膿、鼻づまりと嗅覚障害を引き起こすことが多いのです。
そして喘息を併発することが多いのです。
このように難治性の高い好酸球性副鼻腔炎ですが、漢方の場合、病名はどうあれ、まず体質を見極めて体質に合う漢方薬を出すという考え方で行っていきますので、まずは、基本的なところからお伺いしていきました。

既往歴に関しては、アレルギー性鼻炎は小さい頃からあったそうです。
アトピー性皮膚炎は無いという事でした。
喘息に関してはお子さんを妊娠してから発症して現在も病院には通院しているそうです。
この喘息の症状もあるため、吸入薬と抗アレルギー系の内服薬が2種類出ていました。
自覚症状としては副鼻腔炎なのに、あまり鼻水は出ないし、鼻詰まりも無いそうなのです。
ただし、嗅覚障害(においが全くしない)と毎日ずっと鼻の奥がシーンとする感じで痛いそうなのです。
この症状は6~7年前から続いているそうです。
そして1年半前に頭痛と歯痛が発生して、それが副鼻腔炎による蓄膿が悪化して生じたものであることが判明し、抗生物質を3か月継続して服用したそうですが、良くならなかったそうです。
そのため、大きな病院を受診して、正式な病名が分かったそうです。
その結果、鼻茸の手術を勧められ3か月後に手術の予定なのだそうですが、できれば手術をしたくないということでご相談に来られたのです。
そこで、ここからは漢方的な問診と東洋医学的なチェックも行いました。
そして、過去の好酸球性副鼻腔炎を漢方薬で治療した論文などにも目を通して、確率の高そうな漢方薬の組み合わせでとりあえず、2週間出してみることにしました。
そして、2週間後来られた際に様子をお伺いすると・・・
今回の漢方薬で症状の改善は無かったそうです。そして漢方薬を継続していたら胃腸がしんどくなってきたため、一旦中止したそうです。
そこで、再度東洋医学的にチェックしなおしてみると、確かに胃腸の状態をチェックするツボに反応が出ています。
つまり胃腸に負担がかかっていたという事です。
最初の私の見立てでは、この患者さんは体力が中程度だと判断して漢方薬をお出ししたのですが、体力中くらいの漢方薬が合わないという事は、思った以上に虚弱(虚証)なのかもしれません。
そこで、もう一度問診と東洋医学的なチェックをし直し、蓄膿症(化膿症)でやや虚弱な人に用いるような漢方薬に変更してまた2週間様子をみてもらうことにしました。
そして2週間後来られた際に様子をお伺いすると・・・
今回はものすごく良くなったそうです。
といっても、鼻の奥のシーンとする痛みに関して毎日あったのが週に4日くらいに減ったそうです。
そしてその痛みの強さも最初を10とするならこの2週間で5まで減ったそうです。
良かった・・・
一番最初に出した漢方薬で調子を悪化させたので、2回目の漢方薬は大丈夫か?心配でした。
予想以上に改善して良かったです。
それでまた同じ漢方薬を2週間分お出しして様子をみてもらうことにしました。
そして2週間後に来られた際に様子をお伺いすると・・・
この2週間で鼻の奥のシーとなる痛みは1回も無かったそうです。そのため痛みも5⇒0になったという事でした。
それからも2週間隔で来られたのですが、それ以降、鼻の痛みの自覚症状は一切でなくなりました。
ただし、嗅覚障害(においが全くしない)のは全く改善していないです。
そしてあと1か月後に大きな病院で手術をする予定でしたが、苦痛な自覚症状が無くなったため、手術は断って様子をみることにされたそうです。
それから漢方薬は全く変えていないので患者さんのご希望で1か月間隔のご相談に変更しました。
そして漢方薬を変更してから約3か月経過した段階で、たまに一瞬においを感じるようになってきたそうです。
以前病院で検査を受けた際には副鼻腔はすべて膿で隙間が無かったそうなので、ひょっとしたら隙間が出てきたのかもしれないと思いました。
そしてさらに1か月後、この患者さんが別件で歯医者に行ったとき歯を中心に顔のCTを撮られたそうですが、その画像の片方の鼻腔に空洞があると歯医者さんから教えてもらったそうです。
少しずつですが、蓄膿も改善しているという事だと思います。今、漢方薬を変更してから約4か月が経過しているのですが、思った以上に順調に来ています。
最初は本当にヒヤヒヤしましたし、まだまだ蓄膿も嗅覚障害も鼻茸も残っているのですが、とりあえず良かったです。
※漢方薬の効果には個人差があります。
さらに
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