肌荒れが治った患者さんの紹介で、患者さんが来られました。

この方のご相談内容は肝斑です。

肝斑はトランシーノ(トラネキサム酸)が有名ですよね。

実際私もチェックしましたが、トランシーノで肝斑が改善する人は多いと思います。

しかし、トランシーノで改善しないタイプの方もおられるのです。

トランシーノが合うタイプの方は数か月の使用で劇的に改善する方が多いです。

逆に言えば数か月使用しても変わらないような方はかなりの確率でトランシーノ(トラネキサム酸)が効かないタイプなのです。

そういうタイプの方の中に漢方薬で改善する方がおられるのです。

漢方で改善しやすいタイプというのはあって、それは瘀血体質(体質的に血流の悪いタイプ)や肝臓機能が弱い方です。

瘀血体質の方は生活に気を付けて、血流改善しながら、血流を改善する漢方薬を服用すると、肝斑が改善することが多いですし、肝臓機能が弱い方は、肝臓の働きを調整するような漢方薬を服用しながら、できるだけ精神的にも肉体的にもストレスの少ない生活を心がけることで肝斑が改善してくることが多いのです。

この患者さんを最初チェックした時は肝臓の機能が弱いのが原因だとおもいました。

そのため、肝臓の調節機能を高めるような漢方薬を服用していただきました。

しかし、思ったほどには肝斑は改善しませんでした。

ただ、この肝臓の調節機能を高める漢方薬は合っていると感じていたのでそのままこの漢方薬を継続してもらいました。

そしてこの肝臓機能が改善してきたと思った頃に、新しく別の問題があることに気が付きました。

瘀血です。

この患者さん舌下静脈の状態から推測すると、もともとの体質的には瘀血はさほどひどくはないのです。

恐らく、加齢に伴う血流障害と、女性ホルモンのバランスの乱れによって瘀血が生じているように思われました。

そこで今度は肝臓の機能改善の漢方薬は止めて、血流を改善するような漢方薬に切り替えてもらうことにしました。

この漢方薬に切り替えても正直急激な改善は見られませんでした。

それでも漢方薬を服用されて半年くらい経過したあたりから、時々肝斑が薄く見える日がでてくるようになりました。

そして、この患者さんの場合、純粋に瘀血だけが原因ではない様なのです。

というのも病院で出されるビタミンCを服用された方が明らかに肝斑の色が薄くなるのです。

そして、それ以外に、生理前にはどうも肝斑の状態が悪化する傾向があるのです。

今までも肝斑の治療は行ってきましたが、肝斑がこんなに生理周期に影響を受けると感じたのは初めてでした。

それらを考慮に入れて治療を行ってもまだ改善が不十分なところがあるので、ひょっとすると私がまだ気づいていない問題があるのかもしれません。

現在はまだ瘀血の漢方治療を行っているのですが、瘀血(血流障害)の問題が改善したら、また新しい原因が出てくるのではないか?とも思っています。

この患者さんの肝斑は自分が今まで経験した中で最も難しいのですが、まったく改善していないわけではないので、より根本的な問題をさらに探って、さらに良い状態を目指していきたいと思います。

もし、その過程でまた新しいことが分かったら、改めて記事にしたいと思います。