紹介で患者さんが来られました。

ご相談内容はアトピーと肩凝りと頭痛ということでした。

このうちの肩こりと頭痛に関しては何というか・・・東洋医学的にみると生活習慣か何かの原因で起きているもので病気ではない気がしたので、まずはアトピーのご相談からまずは始めてみることにしました。

アトピーに関してですが、この患者さんは生まれた時からのアトピーで、もう何十年も痒みの増減はありながらも、この病気と長く付き合っているということでした。

現在使われているお薬は皮膚科で出されている外用剤(ステロイド)だけみたいです。

どういう時に痒くなるのかお伺いすると、基本的には毎日痒いそうなのですが、特にストレスを感じた時と生理前になると痒くなるそうです。

1日の中では特に夜が痒くなるそうです。

次に身体の中で最近特に痒いのはどこかお伺いすると、陰部が痒いそうなのです。

この部分が痒くなったのはいつごろからか?をお伺いしたところ、約5年前からだそうです。

陰部が痒くなった原因に心当たりがあるかどうかをお伺いしたところ、特に何も思いたることは無いそうです。

漢方治療イメージ

ここの痒みは物凄くて、どうしても搔き壊してしまうそうです。

この部分はさすがに直接見ることはできないのですが、この部分に対して漢方治療を行うことにしました。

そして、東洋医学的な問診やその他の東洋医学的なチェックを行っ良かったです

アレルギーの反応の出るポイントに反応が出ていましたが、それだけでは陰部の痒みの反応は全部消える気がしませんでした。

どうも別の原因が関係している気がしました。

でもとりあえず、玉ねぎの皮を剥くように一番表面に出ている痒みの原因に対して治療を行うことにしました。

そのため、この患者さんのアレルギーに効く思われる漢方薬を出してみることにしました。

そして1週間後来られた際に様子をお伺いすると・・・

まだ効いている実感は無いということでした。

それでも、感覚としては合っている気がしました。

そこで同じ漢方薬で良いか再度チェックしてみると・・・

どうも合わない気がします。

そこで改めて漢方薬をチェックしなおすと・・・

体質改善イメージ

今回の漢方薬はアレルギーのためのものではなく、感染症に使うような漢方薬が合っている気がしました。

でもこれは自分としては納得の結果でした。

というのも、ステロイドで改善しない皮膚病の場合、感染症である可能性はあるのです。

何故かというとステロイド剤は免疫抑制剤だからです。

ステロイド剤を使うと免疫が下がってしまうため、感染しやすくなるのです。

そこでそのお話を患者さんにして漢方薬を出してみることにしました。

そして1週間後来られた際に様子をお伺いすると・・・

あまり、良くなった実感がないそうです。

でも漢方薬は合っている気がします。

そこで再度痒みのポイントでチェックしてみると・・・

こんどはまたアレルギーのポイントに反応が出ています。

ということはまだアレルギーの原因もあるということです。

そこで今回はアレルギーを改善する漢方薬を再び出しました。

そして1週間後、再度来られた際に様子をお伺いすると・・・

養生イメージ

悪くは無いかもしれないけど・・・くらいの感じでした。

でもやっぱり出したお薬は合っている気がします。

そこで、再度痒みの出ている陰部をチェックすると・・・今回はまた感染症の反応が出ている気がします。

そこで今回は再び感染症に用いるような漢方薬を出してみることにしました。

そして1週間後来られた際に様子をお伺いすると・・・

「微妙に良い」そうです。

4度目にしてやっと漢方の効果を少し実感されたのです。

良かった~

少しホッとしました。

それからも1週間ごとにご相談に来られたのですが、それ以降はアレルギーの反応ではなく、感染症?に対しての漢方薬を出しました。

そして、これ以降は1週間ごとに玉ねぎの皮を剥くように症状が改善し、結果としては漢方薬を服用し始めてから3か月経たないうちに症状が改善しました。

そのため、この段階で治療を終了することにしました。

最初は生まれた頃からのアトピーの治療だと思っていたのでいったい何年治療期間がかかるのか?と思いましたが、恐らく5年前からの陰部の痒みは体質的なアトピーの問題とは別だったのだと思います。

ほんと、最初は全く効いてない感じでどうなることか?と思いましたが、それでも、3か月という思った以上に短い期間で良くなって本当に良かったです。

ホッとしました。

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