紹介で患者さんが来られました。

症状は冷え症、頭痛などです。

それ以外に気になっているのが肩こり、首こりという事でした。

このうち、冷え症ですが、10年以上前からで、腰から下全部だそうです。

その中でも特に辛いのが足先だそうです。

それから、ここ数年なぜか片足だけ『しもやけ』ができるそうです。

頭痛に関しては、これも10年以上前からあり、これも片側の側頭部に固定の痛みが出るそうです。

ズーンとくる鈍痛で、この痛みは相当辛いそうです。

この症状は天気の悪い時や疲れがたまっている時に出やすいそうです。

肩こり、首コリに関しては、仕事で手や腕を酷使するのが原因のようでした。

また、それ以外に、痔(切れ痔、イボ痔)などもあるとのことでした。

これらの話を踏まえ、改めて、この患者さんの漢方的な体質を見極めるため、漢方的な問診や舌の状態のチェックを行いました。

それらをもとに改めて整理して考えてみると、この患者さんには足先の冷え、痔(切れ痔、イボ痔)、便秘等から間違いなく瘀血(おけつ→血流障害)があるように思われました。

さらに、舌の裏をチェックした時、びっくりするほどひどい舌下静脈の怒張(青筋)がありました。これは瘀血(おけつ→血流障害)の決定的な特徴なのです。

漢方治療イメージ

これらの事を考え合わせると病気の原因に瘀血(おけつ→血流障害)が関わっていることを確信しました。

次に、むくみがある、固定痛の頭痛で天候が悪化した時症状が悪化する、頭痛の痛みが鈍痛であることなどから、漢方的な水毒(余分な水が溜まっている状態)がこの患者さんの辛い症状の原因になっているように思われました。

これらをもとに別の東洋医学的なチェック方法を用いて、この患者さんの今の状態をチェックしてみることにしました。

そうすると、肩こり、首こりは瘀血(おけつ→血流障害)が関係していて、足の冷えやしもやけ、痔(切れ痔、イボ痔)等にも瘀血(おけつ→血流障害)が関係しているようでした。

頭痛に関してはストレスや、漢方的な水毒(余分な水が溜まっている状態)が中心で瘀血(おけつ→血流障害)が原因ではない気がしました。

そこで、とりあえず、冷え症や肩こりの治療を優先する形で瘀血(おけつ→血流障害)に対する漢方治療を行う事にしました。

そして、瘀血を改善させる漢方薬の中からこの患者さんに合うと思われる漢方薬を選んで服用していただくことにしました。

それから、大体2~3週間おきににご相談に来られたのですが、服用されて2週間後に来られた段階で、肩こり、首コリの改善を自覚されたようでした。それからさらに2週間後に足先の冷えが軽減されたのを自覚されたようでした。

さらに、2週間後に相談に来られた際に何げなく頭痛はどうですか?とお伺いしたところ、改善していると言われるのです。

それに関して、逆に私がびっくりしました。

血流改善イメージ

なぜなら頭痛のための漢方薬は出していないからです。

そこで、東洋医学的なチェック方法を用いて、この患者さんの頭痛の部位をチェックしたところ・・・確かに頭痛が改善しています。

なぜだろう?

今日チェックしても東洋医学的な瘀血(おけつ→血流障害)が頭痛に直接関与している様には見えないのです。

そこで、再度、色々な視点でチェックしてみたところ・・・やっとわかりました。

肩こりと首コリが頭痛に影響を与えていたのです。

つまり肩こりや首こりが悪化すると、その周辺部分の筋肉の緊張が強くなってそれが頭痛をさらに悪化していたのです。

その肩こり、首コリが改善されたことで、周辺部分の筋肉の過剰な緊張が無くなったため、頭痛も経験している様でした。

こういうこともあるのか?と勉強になりました。

それからもこの患者さんは定期的にご相談に来られたのですが、今年は一度も『しもやけ』にならなかったそうです。

良かったです。

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