紹介で患者さんが来られました。

ご相談内容は男性不妊です。

ここ最近精子の運動率が悪いそうなのです。

病名としては精子無力症ということでしょう。

精子の濃度や精液量は問題ないとのことでした。

そして今までは特に問題なかったということでした。

この話を聞いて私が考えたのは、最近(精子の運動率が低下する少し前)から始めたことや、その頃から続いている出来事が影響しているのではないか?ということです。

男性不妊の場合、精子の運動率に大きく影響するのは、精巣(睾丸)付近の温度、精索静脈瘤(最終的には精巣(睾丸)付近の温度に影響を与えます)、肉体的・精神的ストレス、肉体疲労、ミネラル不足などです。

そこでこの患者さんにこれらに関して、色々お話をお伺いしながら原因の可能性を絞り込んでいくことにしました。

そうすると、日常生活の中で、特に精巣(睾丸)の温度が上がるような生活が特別増えたりはしていないようでした。

ただ、仕事のストレスは結構あるし、仕事そのものは大変でここ最近は忙しいということでした。

次に、結構な数のサプリメントを服用されていたのですが、そのほとんどは数年前から服用されているもので、最近飲み始めたものは1つ2つでした。

サプリメントイメージ

そのうちの一つを見た時これが怪しいと思いました。

何のサプリメントかというと、ヤシ殻活性炭のサプリメントでした。

活性炭は一般的には食品添加物やコレステロール(脂肪)や老廃物を吸着・排出することによってデトックス作用を期待するものです。

しかし、実際には活性炭が自分で良いものと悪いものを選別して悪いものだけを吸着するわけでは無いので、基本何でも吸着するのです。

そのため、必要な成分も吸着して出している可能性が高いのです。

例えば、今まで飲んでいて効いていたかもしれないサプリメントの成分も吸着して体外に排出している可能性が高いですし、食事で採ったミネラルも吸着して体外に退出させている可能性があるのです。

しかもこのサプリメントは丁度、精子の運動率が低下する、1か月前くらいから服用し始めているのです。

ますます怪しいと思いました。

そこで、今度は東洋医学的に男性不妊の反応の出るツボでこれらのサプリメントに問題が無いかをチェックしてみることにしました。

そうすると・・・

やっぱり、このヤシ殻活性炭のサプリメントが男性不妊に影響を与えそうに感じました。

そのため、とりあえず漢方薬は出さす、このヤシ殻活性炭サプリメントを止めてもらって、しばらくしてから精液検査をしてもらうことにしました。

皆様くれぐれも、サプリメントにはお気を付けください。