ガンと食べ物の話(お餅について)
胃がんの患者さんが来られました。
この方は数ヶ月前に、癌がわかって手術が決まってガンがこれ以上大きくならないようにということで漢方治療を始められたのです。
もっと言えば以前に、骨粗鬆症を伴った慢性腰痛で来られていた方なのです。
その時の腰痛は良くなったので漢方治療はその時点で終了しました。
この方はうちの薬局で腰痛の治療をするよりも前に脊髄の良性腫瘍を患ったことがあったため、「食事は気をつけた方がいいですよ!!」
と腰痛の治療しているときにもお話してはいたのです。
さて、胃癌の手術の前に再度漢方薬を飲みたいということで相談に来られた際にも食べ物のことはつとめて気をつけるように言いました。
癌の種類によっては、食べるものや飲むものががんを引き起こす原因の一つとなったり、ガンの成長を早めてしまうことがあるためです。
手術前から手術後にかけてはかなりこの方も気をつけていたと思うのです。
ところがやはり手術がうまく成功したと聞いて気が緩んだのだと思います。
ついつい食べてはいけないものを食べてしまったのです。
この患者さんは2週間に一回、うちの漢方薬局に来られては漢方相談を行っているのですけれども、体の状態を問診及び気功でチェックを行っているのです。
問診では何か気になるところがないかというような大雑把なところを聞いていきます。
一方、気功でチェックしていくのはガンを摘出した手術部分の現在の状態やガンの反応の出てくるツボの主に2か所です
手術部分はガンがそこから再発していないかをチェックし、ガンの反応の出るツボの部分でほかに新しいがんができていないかなどをチェックしているのです。
そのガンの反応の出てくるツボで改善の状況をチェックするのですけれども、通常であれば2週間ごとに少しずつですが、毎回改善していた感覚があったのです。
けれども今日は極端に悪化している感じでした。
最初は誤診かな?自分の感覚の調子が悪くてそういう風に関しているのか?そういう不安もあり、何度もチェックを行いました。
でもやっぱり悪化している気がする・・・
でも・・・こんなに悪化するのには何か理由がないとおかしいのです。
そこで漢方薬が急に合わなくなったのかどうかをチェックしてみると・・・特にそういうことではない感じでした。
漢方薬は今のところ合わなくなっていない・・・
そうすると他に考えられることは?・・・なんだろう?
そうすると・・・ガンそのものは手術である程度取り除くことはできますけれども、がんを作り出した原因そのものを手術で取り除くことはできません。
そのためそのがんの原因からまた新たな癌が生まれ急激に育ってくると、急激に悪化してくることがあります。
そのため、それを見落としていないか再度チェックすることにしました。
そうすると・・・それも見る限りないような気がします。
それ以外に考えられるのは・・・漢方薬とかサプリメントとか合わないものを飲んでいたりする場合です。
そこで再度最近新しいサプリメントとか漢方薬とかを飲んでないかお伺いしたのですけれども、特に飲んでないということ。
それでもう残されているものは食べ物ぐらいしかないと思い、最近何か私が癌に良くないと言ったものを食べてないですか?
という話を聞いてみると・・・患者さんが、実は今日お餅を二つ食べたといわれるのです。
そうだったか~・・・
「お餅は癌の人にはダメなんですよ」と以前、私はこの患者さんに話ししたことがあるのです。
でもこの方はおそらく、手術もしたし、手術もうまくいったから大丈夫だろうと思われて食べたのだと思います。
それ以外は私がダメといったものは何も食べてないと言われていました。
なぜお餅がガンの人に良くないのか?と言うとそれは身体を元気にするからです。
身体を元気にするのはいいことじゃないか!!と思うかもしれないですけれども、手術で完全にがんを取り除くことはなかなか難しいです。
ヒトの細胞は大きさにバラツキはありますが大体が0.1mm以下です。ガン細胞ももともとの細胞に準じますから0.1mm以下くらいものが多いと思います。
画像的にがんを認識しやすくなるのは1cmくらいになってからです。
つまりちょっとガンが残っていたくらいではわからないのです。
そのため、小さいがんを見つけることが困難であるため、通常、ガンが見たかった部位よりも大きく手術で切除するわけです。
そして見落としているガンがあるに違いないという前提があるから、抗がん剤を投与するわけです。
そうすると手術はうまくいったとしても少しくらいはがん細胞は残っていると考えたほうが無難なのです。
そのような状況下で、身体を元気にするものを摂取すると等しく身体のガンも元気にしてしまうのです。
どっちも元気になった場合は、どちらが勢力が強いか?ということになります。
つまり身体の免疫細胞とがん細胞です。強さは数に比例します。
では免疫細胞とがん細胞、どちらの方が数が多くなりやすいですか?
これは、それぞれの細胞分裂のスピードによって決まります。
ガンなどの病気になっていない人は免疫細胞のがん細胞を壊すスピードがガン細胞ができるスピードよりも上回っているのです。
そのため、ガンになっていないのです。
ところが、ガンになった患者さんというのは、免疫細胞ががんをやっつけるスピードよりもがん細胞が成長するスピードのほうが速い結果として生じたわけです
そのような状況下で免疫細胞もがん細胞も等しく元気にするお餅を食べるとどうなるか?
おそらくがん細胞の方が速く成長しやすいと思われるのです。
そのためお餅を食べないというのはがんの患者さんにとってとても大事な食養生なのです。
本当に運良くガンのすべてを摘出した方の場合はお餅を食べても大丈夫なことがあります。
けれども多くの方の場合はお餅を食べるのは危険です。(実際にはお餅を1回食べたからどうこうなるということはありません)
毎日毎日続けて食べるのはがんを元気にし続けることになるため良くないということなのです。
お餅は古くから食べられてきた食べ物ですけれども、お餅を食べるのは、正月三日間の間であったり、もち米を使う赤飯もハレの日であったりします。
毎日は食べるものではないのです。
もちろんその要因はもち米の方が価格的に高いというのも要因にあったのかもしれませんが、それだけではない気がします。
昔の人が毎日食べていなかったのにはそれなりに意味があるのだと思います。
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