早発閉経で妊娠・出産された患者さんの話を書きますエピソード1

この方は懇意にしている鍼灸師の先生の紹介で来られました。

その時には広島ではメジャーな不妊治療のクリニックに通っておられました。

このクリニックはホルモン治療がメインのクリニックでこの患者さんには向かないタイプのクリニックでした。

初診の際の病歴としては子宮内膜症の中のチョコレート膿腫が左にあり、水と血が溜まってかなり腫れていたようで全摘されたそうです。

そして右の卵巣も腫れていて、中には卵が溜まっていたそうです。

状態としては多のう胞性卵巣気味だったそうです。そして排卵しずらい状況でこちらの卵巣も通常よりも腫れていたため、卵巣を部分摘出したそうです。

つまりこの方は右の卵巣の一部しか残っていない状況だったのです。

ただ年齢は幸いにも40歳は超えていなかったため、まだ加齢による影響で全く不可能というレベルまではいっていなかったと思います。

それでもFSH(卵胞刺激ホルモン)の値は来た時に約50とお世辞にもいいとは決して言えない、やはり限りなく閉経に近い状況でした。

実際このFSHは病院でホルモン剤によるコントロールを行わない時にはほぼ100近くまで上昇していました。

このFSHが高いということは卵巣が働いていないということなので、実際かなりやばい状況だったのだと思います。

それ以外には小さな子宮筋腫があり、卵巣を摘出した結果としてだと思うのですが、AMH(卵巣年齢)の値は0.1未満で測定できないと言われたそうです。

そしてうちで治療を始める5年くらい前に2回体外受精を行ったみたいなのですが、トータルで卵は1ケとれたが駄目だったそうです。

このころで30歳前半くらいの頃です。

それから3年経過して来られているので残卵数も減っており、ますます厳しさは増してきている状況でした。

このころは病院でカウフマン療法を行っていたようですが、それを行ってもFSH(卵巣年齢)が47から42に位に下がる程度だったようです。

状況にもよりますが自然な状態であればFSH(卵巣年齢)は20は切らないと厳しいのが実情です。

書きながら改めてかなりひどい状況だったのだとつくづく感じました。

この患者さんの早発閉経の治療はこんな状況からこの方の治療は始まったのです。

早発閉経妊娠イメージ

早発閉経で妊娠・出産された患者さんの話を書きますエピソード2

早発閉経の患者さんが再度来られました。

最初に来られたころには広島の不妊専門のクリニックで治療を受けていて、カウフマン療法をやっていたとおもいます。

そのころの病院での検査結果(生理3日目)はFSH(卵胞刺激ホルモン)が約42、LH(黄体ホルモン)24、E2(卵胞ホルモン)30くらいでした。

まあ・・・普通なら卵は育ちそうにない感じです。

さて今日は前回まだ書いていない漢方的な所見などにも触れていきたいと思います。

お腹が痛くなりやすいそうです。

どういう時に痛くなるのか尋ねると嫌なことをする前や遠くに外出するときになるということがわかりました。

病院でも過敏性腸症候群と言われたことがあるらしいです。

そしてその症状と息が苦しくなるなどの症状も激しくはないけどあるそうです。

疲れやすさは普通、汗は特に出ないそうです。

冷え性はあるそうです。

どこが冷えるのか聞くと足首が冷えるそうです。

アレルギーはここ1~2年で出てきたそうです。

抗生物質などで口の周りが痒くなったことがあるそうです。

お通じはほぼ毎日あり、むしろやや軟です。

痔は少しあるそうです。

ここら辺までの問診で間違いなくお血(血流障害)はあると考えられます。

めまいがあるかどうか尋ねると、立ちくらみがあるそうです。

昔はなかったが、最近出てきていて、先週はひどかったそうです。

でも血圧については普通なのだそうです。

眠りに関しては特に問題が無いそうです。

のどの渇きについて聞くと、特にのどは乾かないそうです。

そしてトイレの頻度も普通です。むくみは少しあるそうです。

ここら辺の話から、水毒(東洋医学の水分代謝異常)の問題は若干あるけど、さほどではない感じです。

頭痛や時々首の付け根が凝る程度。これは特に気にするレベルではなさそうです。

そして漢方的に大事な所見としては生理です。

ただこの方は早発閉経で、基本ほっておくと生理が来ないわけですから、全面的に患者さんのいうことからすべてを判断することはできないですが、一つの参考にすることはできると思います。

生理の量に関しては多いときと少ない時があるそうです。

生理の色は褐色血の塊が2~3日出るそうです。

生理前から生理痛は腰が痛いという感じだそうです。

全体的な所見としてはお血と腎虚(東洋医学的な老化を指す言葉)が強いように感じます。

問題はそれらの漢方的な所見がすべて早発閉経と関係しているか?ということなのです。

単純な生理不順であれば、このような自覚症状の場合、かなりの確率でお血が原因していると考えてもいいと思うのですが、この方は早発閉経という点を重視するなら、やはり腎虚優先で考えるべきかなと思います。

さて・・・それらの所見を踏まえて、病院でのホルモン検査の結果なども加味して、漢方の理論に基づいてある程度処方を絞り込み、気功によるチェックでこの方に合いそうな漢方薬を絞り込んでいきます。

最終的に、最初にこの患者さんにうちの薬局で出した漢方薬は更年期に使うような漢方薬でした。

まあ当たり前と言えば当たり前なのですが・・・高齢妊娠の治療と、早発閉経の治療は更年期障害の治療とかぶる部分があるのです。

これで最初は様子を見てもらうことにしました。

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早発閉経で妊娠・出産された患者さんの話を書きます2

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