不妊症の患者さんが来られました。
この方不妊症と言ってますが、二人目不妊です。
ただ年齢的に40歳を超えてきている高齢不妊症で少しでも早く妊娠して出産したほうが良いわけです。
この方漢方を飲み始めて数か月ですが、ついこの間妊娠されたのです。
ところが流産してしまったのです。
それだけなら年齢的な問題による流産と考えられなくもないのですが、漢方的にみてある当帰製剤がこの方には合っていてそれが合うタイプの人には自己免疫を持っている方が多いのです。
そして妊娠された時流産止めとしてよく使われるのは一般的に当帰芍薬散の系統なのですが、この方は妊娠された時も当帰芍薬散ではない当帰製剤が合うという反応がでたのです。
通常は妊娠されるために用いる不妊治療の漢方薬と妊娠した後の用いる安胎薬は別のことが多いのですが、この方は一致していました。
ということからこの方はまだ流産1回目なのですが、習慣性流産の可能性もあると思って病院で習慣性流産の検査を受けてもらうようお願いしたのです。
そして検査を受けてもらって昨日話を聞いたのですが、抗核抗体は正常値の80倍だったそうです。
ただし、抗核抗体の不妊に関する指標としては40倍以上が陽性なのですがその病院では100倍以上じゃないと関係ないと言われたそうなのです。
そのため病院では問題なしといわれたそうなのです。
しかし今までそのくらいの数値でも何度も流産していた患者さんがもっと詳しい抗リン脂質抗体の検査を受けたら陽性だったということがあるのです。
抗核抗体そのものは習慣性流産と直接関係してるかどうかはわかっていません。
しかし抗核抗体陽性の方のおよそ2割に抗リン脂質抗体が陽性である方がおられるそうなのです。
抗リン脂質抗体は習慣性流産の原因の一つです。
そのため抗核抗体の高値は無視できないのです。
病院では正常値扱いですが、感じとしてはグレーだと思うのです。
この方は40歳を過ぎた高齢不妊ですし、のんびり3回流産してから習慣性流産の検査を受けるのでは妊娠に間に合わなくなる可能性があるのです。
そういう患者さんを何名か過去に見ているので、なんとかそうならないようにしてもらいたいと思って岡山大学で詳細な検査をすることをお勧めしました。
40歳を超えるとワンチャンスが非常に重要なので、妊娠したら確実に出産まで行けるように準備すべきだと思うのです。
この方は年明けに行くつもりといわれていたので、また結果がわかったら続きを書きます。