45歳で体外受精を受けられて妊娠、46歳で出産された患者さんの話を詳しく書きます
高齢不妊治療体験談にもありますが、以前、うちの薬局に来られていた患者さんで45歳で体外受精を受けられてみごと妊娠されて46歳で無事出産された患者さんがおられます。今回はその患者さんの体験談には書いていない部分の話を詳しく書いてみたいと思います。その患者さんは一番最初は整体の患者さんとしてうちに来られていたのです。それもそれほど多く来られていたわけではなく、整体としては過去に数回くらい来られていたのでした。確か整体の目的も全身の体の調整で、妊娠しやすいからだ作りを目的に来られていたのだと思います。でもほんとに思い出したころに1回来る程度のゆるい感じで来られていたと思います。それが突然ある時点から、ちゃんとした不妊治療をしてほしい!!というような気合が入った感じで漢方治療を希望されて漢方薬による不妊治療を行うようになったのです。この患者さんに関してはっきり言えることは、この患者さんに出した漢方薬は完璧に合っていた自信があるということです。通常、漢方薬は最初の問診や病院での血液検査(女性ホルモンの検査データ)や器質的疾患の有無(ex子宮筋腫とか子宮内膜症とか卵管閉塞とか、高プロラクチン血症とかそういう器質的疾患にはある程度使われる漢方薬は決まっているのです。)患者さんの年齢、それから基礎体温などから可能性の高い漢方薬を探し、さらに漢方理論や気功によるチェックなどでさらに絞り込んでゆくのです。それでも一発で完璧に合っている漢方薬を探すことは通常難しいです。多くの患者さんは数か月、早い人だと2週間に一回のペースで漢方薬の組み合わせなどを変えてゆくことが多いのですが、この患者さんは比較的漢方薬のパターンにはまっていたかもしれません。この方はほぼ年単位で最初に出した漢方薬を変えませんでした。この方が本格的に漢方薬による不妊治療を始めたのが妊娠される4年前だったと思います。実際にうちで妊娠のための漢方薬を出していたのは44歳まででした。というのも、もうこれ以上治療する必要がないと判断したからです。そのため妊娠された45歳の段階では漢方薬は何も飲まれていませんでした。それでも漢方的な体質改善は十分できていたと思います。そのため45歳の時1回だけ体外受精のために採卵を行い、1個だけ卵がとれて、それがうまく体外受精で受精し、そしてそれが胚盤胞になり、その1個だけを返したら見事妊娠し、安定期までいき、そして出産を迎えることができたのです。その確率はかなりのことだったと思います。過去の日本産婦人科学会の資料などには45歳で出産まで至るケースは1%以下となっています。45歳で出産まで至るケースは約150~200人に一人の確率なのです。この方に関しては不妊治療以外で本当にいろいろ苦労されて、大変だったのですが、そこら辺の話はまた機会があれば書きたいと思います。