産後の肥立ちとは出産されたお母さんが出産前の身体の状態まで回復する時期のことをいいます。結構古い言い方です。でも漢方ではよく使われる言葉です。昔は現代のように栄養状態も良くないため、妊娠して出産する過程で、お母さんは痩せてゆくことが常だった時代が長くあったということです。その痩せ細った身体が太ってきて元通りまで回復することを産後の肥立ちといったのです。それが順調であれば産後の肥立ちがいいという風に言われ、順調に回復しない時は産後の肥立ちが悪いと言ったのです。
一般的に産後の肥立ち(産後の体調の回復)には1か月半から2か月程度かかるといわれていますが、これも個人差があると思います。
産後の下痢や食欲不振は身体の回復を遅らせるため注意が必要です。
また妊婦の時に食べ過ぎてしまっていて、出産しても体重がもとに戻らないために産後に急激なダイエットをされる方が中におられるのですが、これは産後の肥立ちを悪くします。
また産後に腰痛や股関節周辺の痛みが出る人がおられるのですが、これは出産によって骨盤が開いたまま、回復が遅い場合に起こります。そのため、自然に良くなるのをじっくり待つのも一つの方法ですし、早めの回復を望まれるなら、整体などで骨盤の調整をしてもらことも回復を早める助けになります。もちろん整体は腕の良い先生に診てもらう必要があるのですが。
漢方的には、妊娠されるまで飲んでいた漢方薬が残っている場合は、その薬を飲まれることは産後の肥立ちを良くする助けになることが多いです。なぜならその薬を飲んで妊娠されたのでされば、その薬はその方にあっているということなのです。多くの場合その方の体質にあっているのです。出産は栄養状態の良くなった現代でもやはり、消耗はします。そうするとその方の体質的な弱点が出やすくなります。そのため、その体質に合う漢方薬を飲むことで回復しやすくなるのです。漢方を飲まれていない方は、一つはバランスよく食べることと、それにその時食べたいものも合わせて食べるということです。基本的に食べたいものというのはその方に今必要な栄養素を含んでいることが多いのです。あとは十分な休養も大切です。昔は産後はふとんを敷きっぱなしにしていつでも寝れるようにしており、そのふとんを敷きっぱなしにしなくて良くなるほど回復した時を床上げといったのです。これも人によって個人差があるので、ご自身の身体と相談しながら行ってください。
産後の肥立ち
この記事の筆者
漢方薬剤師 谷 裕一郎
・薬剤師
・中国政府認定国際A級中医師
・JCC認定カイロプラクター
・東洋医学会会員
・関東伝漢研会員
広島の漢方薬局ハーブスでご相談をお受けする谷裕一郎です。国際A級中医師の資格を持つ漢方薬剤師です。
じっくり 懇切 丁寧 をモットーに、漢方のスペシャリストとして誠心誠意皆様の健康のお手伝いををいたします。
20年間漢方薬剤師として、生薬・漢方薬の調合、処方をしております。漢方薬局ハーブスは開局15年目になります。
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