この患者さん最初はホームページを見てご夫婦で不妊治療の相談に来られたのです。

結婚して丸一年が過ぎたそうなのですけれどもなかなか子供が授からないということで相談に来られたのです。

主訴としては不妊症ですけれども、それ以外に気になる症状として、時々起こるイライラや胃の不調なども気になるそうです。

そして、今までに漢方薬を何回か挑戦したことがあるそうなのですが、その時に皮膚が痒くなってしまって、何度か断念してしまったそうです。

ご本人は少しアトピー気味なのではないか?ということで心配されておられました。

そして現在飲まれているサプリメントとしては牡蠣肉エキス、霊芝の入ったサプリメントそれかルイボスティーを飲まれていました。

牡蠣肉エキスは不妊症に使うサプリメントの一つですけれども、やはり合う、合わないはあります。

そして、霊芝系統の製剤というのは不妊症には使うことはないですし、合わないと免疫力むしろ下げてしまうケースもあるため、チェックしてみることにしました。

漢方治療イメージ

癌などの免疫力の低下の際には霊芝製剤を使うことも私もまれにあります。

しかし、実際のところ、霊芝の商品というのはものすごく種類が多く、その中で本当に免疫力を上げるものは非常に少ないと思います。

今回のケースでも、できるだけ合っていないと思われるサプリメントは飲まないようにしてもらって漢方薬中心にしてもらうようにお話ししました。

そして、実際に漢方薬を飲んでもらうため、改めて体の状態や基礎体温などをチェックしてみました。

まず、基礎体温をチェックしたのですが、これがとても特徴的で、とてもギザギザ基礎体温なのです。

このような基礎体温というのは、高プロラクチン血症や情緒的に問題がある場合にこのような形になりやすいのです。

そして、今度は身体のツボの反応をチェックして、不妊症の原因及び不妊症を改善する漢方薬を探してみることにしました。

そうすると、この患者さんが気にされていた情緒的な問題と不妊症の原因が重なっているように感じました。

そのため、この患者さんの精神的な状態を改善する漢方薬を、とりあえず2週間飲んでいただいて様子を見ることにしました。

そして2週間後来られた際に体調を伺いすると、皮膚の痒みが全く出なかったそうです。

そして基礎体温が明らかに安定していたそうです。

そこで、このまま継続して2週間、同じお薬で様子を見ていただくことにしました。

このような形で2週間おきに漢方相談に来ていただいたのですが、漢方薬は合ってるように思うのですが、高温期の高さが十分ではないと、やはり高温期が途中で必ず1回は下がってしまうのです。

そのため、漢方薬の効きを良くするために、今飲んでいる粉薬を煎じ薬に変更する提案を患者さんにしてみました。

ただ、毎日煎じ薬を継続するのは難しい場合もあるので、時間の取れる時には煎じ薬で、忙しい日には粉薬で、という形で様子を見ていただくことにしました。

そのように煎じ薬に変えてから約2ヶ月経過して、やっと高温期の時に基礎体温が下がらなくなってきました。

その基礎体温表の変化がこれです。

漢方治療前の基礎体温

治療前の基礎体温

漢方治療後の基礎体温

漢方治療後の基礎体温

体は順調に良い方向に変化してきていると思います。