梅雨時期のカビ対策とアトピー性皮膚炎

梅雨時期から夏にかけて温度と湿度が上昇する時期に悪化するアトピー性皮膚炎の方の中にはカビが原因となっている場合があります。

カビは真菌で、細菌とは異なります。

実は真菌の中の一つとしてカビはあるのですが、真菌の中にはほかに有用なものもたくさんあります。その代表はキノコです。

キノコは真菌です。体の免疫力を上げてくれるといわれています。

それ以外に酵母も真菌の一つです。

これもお酒や味噌・醤油などの発酵に欠かせないものです。

またチーズはカビの一種によって作られるものもありますが、これも体に良いものと考えられています。

またテレビで注目を浴びた仁(ジン)でも出てきますが、最初の抗生物質はカビが作り出す成分を抽出してできたものだったのです。

梅雨時期に悪化するアトピー性皮膚炎は一応カビを疑った方が良いです。

でも実際に皮膚の患部を採取して菌の有無を調べてくれるような病院は少ないです。

そのため、カビが発生しにくい環境づくりを心掛けることがアトピー性皮膚炎の対策になると思って実践してください。

カビを発生させないための注意点

湿度を50%くらいに保つ

カビは湿度が65%以上でより繁殖しやすくなります。

そのため湿度を極力するなくすることが重要です。50%前後を目標に除湿を行ってください。

梅雨のアトピーで悩まれている方は除湿機の購入も必要かもしれません。

もしくはエアコンでドライを選択されても効果はあると思います。

換気を行う

換気は湿気をこもらせないためにも重要です。

ただし雨の日にはエアコンor除湿機を使う必要があると思います。

温度差で結露が出た場合は必ずふき取る

隅にたまった水分は最もカビの発生しやすい場所の一つです。

発生したカビは掃除機で吸わずに濡れた雑巾で拭きとる

掃除機でカビを吸い取ると排気口からカビを飛散させ広げる結果になります。

そのためカビを確実に取り除くためには雑巾で拭きとる方が確実なのです。

押入れは湿気がたまりやすいため除湿対策する

押入れは湿気がたまりやすいため、目的が無くても定期的に開けて換気し、竹炭や木炭や、すのこなどを置いて除湿を心掛ける

 カビ(真菌)と病院での治療薬について

真菌は別のページにも書いていますが、人によって非常に有益なものもあります。

でも害になるものもあります。

人の身体に悪影響を与えるようなものには水虫ののように非常になじみ深いものもあります。

非常になじみ深いのですが、一度かかると結構厄介であったりもします。

ここでは代表的な抗真菌薬について書いてみたいと思います。

病原菌となるカビ(真菌)の代表的なもの

カビの代表的なものには白癬菌(水虫の原因となるもの)、カンジダ(女性の膣炎やエイズや免疫低下の際の日和見感染)などが有名です。

※カビには抗生物質は効きません

カビは真菌であるといいましたが、細菌とは構造も全く異なるため抗生物質は効きません。

抗真菌薬が使われます。

抗真菌薬の作用機序

抗真菌薬がどうやってカビに効くのか?それはカビの細胞膜の主成分となっているエルゴステロールの生成の阻害やそれに関連する部分の阻害によって真菌の細胞膜を作らせないようにしたり、壊したりすることによるのです。

新しいものには細胞壁の生成に関係する部分に対する薬(キャンディン系抗真菌薬)も出てきていますが、基本的にはエルゴステロールにアプローチするものが圧倒的に多いのです。

カビ(真菌)に用いられれる代表的な抗真菌薬

ポリエン系抗真菌薬

アムホテリシンB

アゾール系抗真菌薬

テレビのコマーシャルでもよく宣伝している水虫薬の主成分ですね。
イトラコナゾール
ミコナゾール

キャンディン系抗真菌薬

ミカファンギン

真菌症の分類

表在性真菌症・・・真菌の感染が皮膚の表面にとどまる
深在性皮膚真菌症・・・真菌の感染が皮膚表面よりも深くまで入り込み、爪の中や皮下組織まで到達してしまっている
深在性真菌症・・・真菌がより深く侵入し、内臓までも到達している場合

真菌の分類と薬の使い分け

表在性真菌症に関しては軟膏やクリームなどの外用剤で対処できますが、深在性皮膚真菌症や深在性真菌症には内服薬の投与が必要な場合が多いのです。

抗真菌薬と副作用

一般的に外用剤の場合、全身に影響するような大きな副作用は基本的には兄はずです。

特定の成分に対してアレルギーを起こされる方の場合は稀に全身症状として出る場合があります。

副作用で重篤な副作用が出る場合はやはり内服薬です。

内服によって起こる可能性のある副作用は多様で、胃腸障害や腎臓障害、肝臓障害、ジンマシンなどのアレルギー症状、発熱、頭痛、関節痛などの症状も出ることがあるようです。

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