膝痛(膝の痛み)の患者さんが来られました。この方、膝痛(膝の痛み)になってから1か月半くらい経つのに良くならないということで来られたのです。

普通、良くある膝痛は加齢によって生じるため、徐々に時間をかけて悪くなっていく分、良くなるのにも随分時間がかかるものなのです。でもこの方は病院で半月板の損傷による膝痛と診断を受けたそうなのです。

半月板損傷を起こすということは、膝によほどの負担がかかったということです。いったいどんなことをしてこうなったのだろうと思いました。膝痛イメージ

そしてその点についてお話を伺うと・・・1か月半くらい前に重い荷物をもって多少ぐきっとなったかもしれないけど、はっきりわかるようなきっかけはないといわれるのです。それはおかしいです。半月板を痛めるくらいのレベルであればやった直後にすぐにわかるはずです。

でも何度伺ってもそんなにはっきりした心当たりはないということなのです。そこでもう少し話を伺うと、この荷物をもって膝を曲げたりのばしたりするような仕事はここ1年くらいだそうです。

そして半月板損傷は右の内側だそうです。病院でCTを撮って、うっすらあると言われたそうなのです。そのためこの半月板損傷は軽めであるから、リハビリを行えばすぐに良くなると言われたのです。

そころがその予想に反して、腫れが引かず、膝に水がたまった状態が続いているそうなのです。最初は水を抜いてもらったそうですが、今は何回かして様子を見ている感じです。

そして数時間おきにアイシングをして消炎鎮痛薬を服用して様子を見ているのです。そこで直接患部を見せていただくことにしました。そうすると、ちょっと変なのです。左の膝関節がおかしいのはその通りなのですが、気でみると、左の内側の半月板はほとんど問題ない感じなのです。

むしろおかしいのは、膝の関節面ではなく、それより少し上のあたりなのです。熱感も関節面より上の部分にある気がします。そうするとCTの所見とはまったく一致しないのです。どう考えても矛盾するのです。そこで悩んでいると患者さんから追加のお話がありました。

実は結構前から、手のこわばりがあって、病院で何回かチェックしてもらっているがリウマチではないと言われているというのです。そしてこの方のお母さんは膠原病で、おばさんはリウマチだというのです。なーるほど!!

それで話の辻褄が合いました。この方の膝は半月板損傷ではなく、リウマチ様の症状が影響していると考える方が自然なのです。これなら基本的に摩擦の生じない関節面より上の部分が腫れていることも説明できます。

そこでうちの薬局でリウマチに使う漢方薬をチェックしてみました。そうすると・・・反応していないようです。つまりリウマチではない気がします。そうすると可能性として関節炎の系統です。

そこで関節炎に良く使われるものをチェックしてみると・・・反応します。可能性としてはリウマチではなくリウマチ様の関節炎の系統の可能性です。

どちらににしても、半月板損傷ではない気がするということを患者さんにお伝えして、1週間薬を飲んで様子を見てもらうことにしました。また経過は書く予定です。