合わない漢方薬を飲んでニキビが悪化していたと思われる患者さんが来られました。今回、様子をまた伺うと・・・今回は前回より良くなっていることを自覚されたようです。
でも左下のニキビには芯がないのに、右下のニキビにはずっと芯があり無くならないと言われるのです。それはまさにその通りなのですが、この方まだ服用されて1ヶ月ちょっとなのです。そんなに早く改善するわけはないのです。もともとこの方は長年ニキビに悩まれていた訳なので、通常に比べれば原因は深いと考えられます。おそらく、いま出している漢方薬の下にもう一つ深い原因があるのではないかと思っていますが、まだ明確な処方は出てきていません。
まあこういう場合、良くないのは焦ることです。焦って化粧品やサプリメントを多量に服用すると何が効いて何が悪化させているのかわからなくなってしまい結局パニックを起こして、その不安を取り除くため、また新しい化粧品やサプリメントを次々購入する。でもいろいろ飲みすぎて結局よくわからない。という悪循環を生みだしてしまうのです。それでもまた皮膚の状態が落ち着いていればいいのですが、それが悪化するとどうしようもなくなってしまうのです。
サプリメントや化粧品を試してみるのは特に悪いことではないのですが、大事なのはその一つ一つが自分に合っているかどうか吟味するということなのです。
そのためにはほかの条件を変えずに一つだけ変えてみることが大事なのです。今回は漢方薬を変えずに油性のサプリメントと顔に塗るオイル系のものを抜いて2週間様子をみてもらったわけです。それによって今回は自覚できる程度に改善されたわけですから、オイル系のものはこの方にはあまり必要なかったということがいえるのです。
私自身はサプリメントはできるだけ取らずに、食事でできるだけバランスをとることがいいと考えています。化粧品や外用剤を積極的に勧めるときは外的に菌などの影響を受けている時や皮膚を外的刺激から保護しないといけないケースなどです。
そういうものを最小限にしてゆくと、漢方薬の効き目もいい意味でも悪い意味(薬を間違えるとてきめん悪化する)でもはっきり出るようになります。そうすると治療の方向性がよりはっきりしてくるのです。その良くなったり、悪くなったりを観察することで漢方薬を修正し、徐々にその方に合った薬に調合できてゆくのです。それは地道な作業ですが、長く症状を患っている方には大切なことなのです。本当に急がば回れなのです。
このニキビはおくすりのせいですその3
この記事の筆者
漢方薬剤師 谷 裕一郎
・薬剤師
・中国政府認定国際A級中医師
・JCC認定カイロプラクター
・東洋医学会会員
・関東伝漢研会員
広島の漢方薬局ハーブスでご相談をお受けする谷裕一郎です。国際A級中医師の資格を持つ漢方薬剤師です。
じっくり 懇切 丁寧 をモットーに、漢方のスペシャリストとして誠心誠意皆様の健康のお手伝いををいたします。
20年間漢方薬剤師として、生薬・漢方薬の調合、処方をしております。漢方薬局ハーブスは開局15年目になります。
漢方は万能とはいいませんが、あらゆる症状・疾患に対応することができます。どのようなお悩みでもご相談にのることができます。ひとりで悩まずに、お気軽にご相談ください。