花粉症対策とアトピー性皮膚炎
春先になってくると皮膚の状態が悪化する方の中には花粉症が原因になっている場合があるのです。この花粉症が原因の場合、正直、本当に花粉症が原因名なのか、問診や望診だけでは判断がつきかねるケースもあります。というのも花粉症というのは人によって反応する花粉が異なるため、一口に花粉症と言っても悪くなる時期は一致しないのです。さらに言えば、通常花粉症の症状といいうのは、くしゃみや鼻水が中心なのですが、アトピー性皮膚炎の患者さんの場合はそういった症状が出ないで、皮膚症状のみでるかたがおられるのです。そのため、症状が悪くなる時期だけで単純に判断することは難しいです。
花粉症がアトピー性皮膚炎を悪化させている可能性の判断基準
花粉の飛ぶ時期に悪化する
花粉の飛び始める1月ごろから悪化する(ただし花粉がすぎでない場合はもっと後から症状が悪化するケースもある)
人にによっては4月・5月以降から急に悪化するケースもある
花粉症の症状を伴うことがある
花粉症の症状が出てきた時期と一致してアトピー性皮膚炎の状態が悪化する。もしくは花粉の飛ぶ時期が終わるころにアトピー性皮膚炎の症状も一時治まる。
花粉症予防を行うと皮膚の状態が落ち着く
マスクをして外出することを徹底して心がけたり、布団を部屋干しにしたり、外出先から帰った時には、花粉をきれいに落とすなどなど一般的に花粉症の時に行う予防法を実践することで症状が落ち着くのであれば花粉症が原因となっている可能性があります。
花粉症が原因となっているアトピー性皮膚炎の対策
花粉症の対策を行う
上の項目でも書きましたが、できるだけ花粉に触れないことが重要です。
できるだけマスクをして外出するのが基本です。花粉が直接皮膚に触れないようにするために、基本的には長袖を着るようにしてください。(時期的には長袖ですが、5月頃にになると半袖を着る時期になるのでその時期も長袖で)コートなどは外出先から帰ったら玄関で花粉をきれいに落とすよう心がける。布団を外干ししないことも大切です。お風呂に毎日入り、花粉を洗い流すようにする。あとはゆとりがあれば花粉を除去できるような空気清浄機を部屋に置くこともよいと思います。
花粉症の治療を行う
もし病院で出ている抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤などで症状が軽減する場合はその治療とアトピー性皮膚炎の治療の併用でよいと思いますが、もし抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤で症状が軽減しない場合(その場合は花粉症が皮膚を悪化していない可能性もあるのですが・・・)漢方薬を用います。もともとアトピー性皮膚炎があって花粉症でその症状が悪化しているケースの場合、傾向としてですが、通常、花粉症に使う漢方薬でないものを使って良くなるケースが多いように思います。薬の種類としては自律神経の調整を行うような漢方薬が合うことが多いように感じます。
漢方の専門用語でいう柴胡剤というものです。これは柴胡という自律神経を調整する生薬を含んでいる漢方薬ということです。非常に代表的なものは小柴胡湯、十味排毒散などです。
花粉症の食養生
基本は花粉症の治療原則と一緒です。花粉症は多くの場合、透明な鼻水やくしゃみを伴うため、体が冷えた結果生じる症状と考えられるのです。そのため体を冷やすような食べ物を多く食べることは控えるべきです。最も気を付けるべきものは南国のフルーツです。南国は暑いため、体を冷やす働きがあるのです。バナナやパイナップルなど日常よく食べるようなものは極力控えてください。
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