ご紹介で患者さんが来られました。

症状はジンマシン(蕁麻疹)です。

この方、幼少期にも鯖などでアレルギー性ジンマシンを繰り返していた事があったそうですが、小学校~社会人になるまではジンマシンは治まっていたそうです。

ところが、定年間近になった頃に数か月単位の県外出張によって体調を崩し、ものすごく汗をかくようになりなり、その汗かぶれが原因でジンマシンが再び出るようになったということでした。

そこで皮膚科の病院に行って抗アレルギー剤やステロイドホルモンの塗り薬などを出してもらったそうですが、ステロイドを塗った時は確かに治まるそうなのですが、塗らなければ再び出てくるの繰り返しで、良くなる気配が一向にないということでご相談に来られたのです。

そこでどういう時にその症状が出てくるのかお伺いすると・・・

ハッキリとは良く分からないということでした。

汗は関連していることが多いそうですが、必ずそうとも言い切れないということでした。

汗以外にも疲れている時に出やすい気がするということでした。

漢方治療イメージ

この話をお伺いすると、ただのジンマシンではなく、コリン性ジンマシンなどの可能性も考えられました。

そこでさらに具体例を挙げてもらって、どういう時に出るのかお伺いすると・・・

風呂に入った時には痒くなるそうですし、風呂から出ても発疹と痒みが出るそうです。

そして汗をかくと痒くなる。夜布団の中に入ると痒くなる。

朝目覚めるとワーッと痒くなるとのことでした。

そして痒くなる部位は、首、顔、脇腹が多いということでした。

さらに過去の病歴などもお伺いしてみると、過去に喘息もされており、もともとアレルギー体質なのだろうということは推測できました。

それ以外には大腸ポリープや胃のポリープ、乳腺にも腫瘍ができたことがあることがわかりました。

基本的にできものの出来やすい体質なのでしょう。

そして、これらの話からどうも免疫系には問題が出やすいということが分かりました。

さらに東洋医学的な視点から問診を行い、この患者さんに合うと思われる漢方薬をとりあえず2週間分出してみることにしました。

サプリメントや健康食品

そして2週間後、来られた際に様子をお伺いすると・・・

割と良いそうです、まだ症状は出るそうですが、その頻度と度合いが明らかに減ったそうです。

そして再度身体の状態を東洋医学的にチェックしてみて、まだ今服用されているお薬は合っている気がしたので、そのまま継続してもらうことにしました。

そしてさらに2週間後、症状はさらに減り、症状が出る日よりも出ない日の方が多くなってきているそうです。

ただ、毛染めをしてからまた症状が出やすくなった気がするということで、その毛染めも持ってきてもらって東洋医学的にチェックしましたが・・・これは特に問題なさそうなのです。

でも患者さんは、間違いなくそうだと言われるので・・・

いろいろ考えてみたところ、他に服用されているサプリや医薬品などとの相互作用があるかもしれないと思い、それらを含めてチェックしてみることにしました。

そうすると・・・美白に使われる医薬品とこの毛染めとの相性が悪く相互作用を起こすかもしれないと思いました。

そこで、その美白に使われる医薬品を休んでいただくことにしました。

そして再度2週間後に来ていただくことにしました。

体質改善イメージ

そして、その後、美白に使われる医薬品を止めてどうなったか?お伺いすると・・・

蕁麻疹出なくなったそうです。今回出たのは1日だけだそうでした。

そこで、その蕁麻疹が出た時、いつもと違うことを何かしてないか?お伺いしてみると・・・最近アマニオイルを飲んでいるそうです。

これ結構怪しいです。でも東洋医学的にチェックしてみると・・・問題ありませんでした。

他に何かしていないか?お伺いすると・・・

特別な乳酸菌の入ったヨーグルトをごく最近食べ始めたそうです。

それも怪しい・・・そこでそれもチェックしてみると・・・

これは本当に怪しいので止めてもらうことにしました。

そしてまた2週間後に来てもらいました。

そうすると、今回は症状がほぼ出なかったということでした。

そのため、漢方薬は変えずそのまま服用していただくことにしました。

そしてまた2週間後に来られた際に今の状態をお伺いすると・・・

今回は少し出たそうです。

これは患者さんに聞かなくてもおおよそ見当がつきました。

そして患者さんにも確認して、思った通り、季節が夏に近づいてきてかなり暑くなり、頻繁に汗をかくようになってきたからでした。

こういう場合は恐らく薬の量の問題なのです。

そこで東洋医学的にチェックしてみると・・・やはり今出しているお薬はやはり合っていて、今出している量では対応できない感じでしたので量を少し増やして服用していただくことにしました。

そして、次に来られた際には症状は出るには出るが一瞬で、それも今までのような目立つ場所ではなく、足首の靴下のコムで締め付けるあたりにだけ出るということでした。

そして次来られた際には夏真っ盛りでしたが症状は出なくなりました。

それから約4か月後に漢方薬を止めても蕁麻疹が再び出ることは無さそうな気がした(体質改善が終了した)気がするので、これで止めてみることにしました。

漢方薬を服用され始めてから約9か月、症状の度合いから考えれば、比較的早く体質改善まで進んだと思います。

良かったです。

ホッとしました。

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