紹介で漢方相談の方が来られました。

相談内容は子宮筋腫とむくみだそうです。

子宮筋腫はかなり前から、気になっているそうですが、画像による検査は行っていないとのことでした。

ただ、特別なことをしなくても最近は子宮筋腫の存在を感じるそうなので、相当大きくなっているのではないか?とご本人はお話されていました。

かなり大きくなっている事をご本人も自覚されていて、病院ですぐ切りなさいと言われるのが怖くてなかなか行けていないとお話されていました。

ただ、年齢的には更年期に入っており、人によっては閉経してもおかしくない年齢になってきているので、何とかこのまま手術をせずに乗り切りたいという思いがあるようでした。

そして、次にむくみについてですが、むくみはかなり前から悩んでいたそうですが、最近特にひどくなっているとのことでした。

むくみの出ている場所は、左ひざの周りと左足の外側のあたりということでした。

それ以外に現病歴をお伺いすると、高コレステロール血症があるとのことでした。

漢方治療イメージ

それら話を一通りお伺いして、子宮筋腫と浮腫みのうち、比較的治療効果の出やすい浮腫みからチェックしてみることにしました。

そこでまずは、自覚症状の強い左ひざと左足を直接見せていただきました。

そうすると・・・相当ひどいです。

一目で浮腫んでいるのがわかります。

これって本当に浮腫み?
何かの炎症で腫れているのではないか?

と思えるくらいひどい状態です。

膝も足も左右比較してみましたが、本当にひどいです。

左足は本当にゾウの足のように浮腫んでいます。

一応足・膝は痛くはないのか?を確認しましたが痛くはないそうです。

この膝の浮腫みの原因はなんなんだろう?

普通は、膝の晴れの原因は打撲や関節の使い過ぎ、変形性膝関節症などです。

ご本人様に確認しましたが、打撲等は心当たりがないそうですし、そもそも痛くないので、上記のどれにも当てはまりそうもないのです。

また、膝が悪い人は根本的には腰が悪い人が多いのですが、この患者さんの腰もチェックしてみましたが、特に問題もないのです。

そうすると、浮腫みと関連の深い臓器として考えられるのは腎臓、肝臓、心臓などです。

むくみ改善イメージ

これらの臓器に異常が無いか?東洋医学的にチェックしましたが、特にどこにも問題がありませんでした。

あとは血液的な問題でアルブミンの低下などの原因も考えられなくもないのですが、もし、これが原因なら左右同じように浮腫まないとおかしいのです。そのため、検査は受けておられないですが、可能性は低い気がしました。

次にチェックしたのは東洋医学的な浮腫みの原因を調べるポイントです。

確かに浮腫みのポイントに反応は出ていました。

そこで、浮腫みの反応のでるポイントの情報を参考にこの患者さんに合いそうな漢方薬を探してみると・・・

候補の漢方薬は見つかったのですが、その漢方薬がこの患者さんの浮腫みに効くかシュミレーションしてみると・・・合わないという反応がでました。

正直、浮腫みの原因が分かりません・・・

そのため、一旦こちらの症状は保留にして、子宮筋腫に合う漢方薬を探してみることにしました。

子宮筋腫を起こす漢方的な原因は100%瘀血(血流障害)なので、治療は駆瘀血薬・活血薬という分類の漢方薬になります。

浮腫み漢方治療イメージ

その中から、この患者さんに合いそうなものをチェックして探してみると・・・

候補が見つかりました。

その漢方薬は良く考えたら更年期障害にも浮腫みにも用いる漢方薬なので、再度東洋医学的な浮腫みの反応の出るポイントでチャックしてみると・・・

浮腫みもとれる気がしました。

そこで、この漢方薬を試しに2週間分服用していただくことにしました。

そして2週間後来られた際に様子をお伺いすると・・・

左膝の浮腫みも無くなって、左足の浮腫みも随分良くなったとのことでした。

本当?

そんなに急激に良くなるものなのか?ちょっと疑わしく感じて、実際に左膝付近の患部を見せていただくと・・・

左膝の浮腫みは完全に消失して、左足の浮腫みも見違えるほど良くなっていました。

ということは・・・逆算的になりますが、ひどい左膝と左足の浮腫みは子宮筋腫が原因だったということです。

確かに過去にも、ものすごく大きな子宮筋腫の漢方治療をしたら今までどうやっても取れなかった浮腫みがとれた経験はあるのですが・・・まさか今回もそうとは・・・

今度から大きな子宮筋腫のある患者さんの浮腫みはまず子宮筋腫をチェックしてみた方が良さそうです。

まあ、でも今回は思った以上に早く浮腫みの症状が改善したのでとりあえずは良かったです。

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