患者さんの紹介で少し遠方から患者さんが来られました。
症状は関節リウマチです。
約10年前に病院で診断されたそうです。
ご本人にその原因を伺ったところ、ストレスではないか?と思われているということでした。
また、痛みの部位に関しては手首、足首、右ひざで動かすと痛むそうです。
特に早朝の痛みが激しいということでした。
病院では生物学的製剤での治療を約5年間続けていて、その当時はコントロールされていたそうですが、その5年間使用した頃に卵巣がんが発見されたため、生物学的製剤の使用を止めたそうです。
卵巣がんに関しては卵巣と、子宮を全摘することで、命が助かったという事でした。
ご本人としては生物学的製剤が原因で卵巣がんになったのではないか?と思われているようで、それ以降は、関節リウマチで痛くても生物学的製剤も、病院の関節リウマチのお薬は一切服用されていないそうです。
サプリメントとしてはキノコ系のサプリメントを服用されていました。
キノコ系のサプリは合わあないと免疫を下げることがあるので、どうだろう?と思ったのですが、東洋医学的にチェックしてみると特に問題なさそうでした。
これらの話をもとに、さらに漢方的な体質を調べるため、多くの質問と東洋医学的なチェックを行いました。
それにプラス、病院の検査データもチェックし、色々考えあわせた結果、もちろん間違いなく関節リウマチはあると思うのですが、それ以外に、更年期障害もこの患者さんの関節の痛みには関係しているのではないか?と思ったのです。
この患者さん、子宮も卵巣も全摘しているため、当然生理は来ません。
そのため、こういう方の場合、更年期障害を見逃してしまうことが多々あるのです。
更年期障害でリウマチ様の症状を出す人は皆さんが思っている以上に多いです。
そして、その更年期障害を治療しないと治らないケースを私は過去に何度も経験しているのです。
ということで、今回の治療はまず更年期障害を改善させるための漢方薬をとりあえず2週間分お出して様子をみることにしました。
そして2週間後に様子をお伺いすると・・・
手首の痛みは少し軽くなったそうです。しかし膝の痛みは全く変わらないという事でした。
しかし、再度、東洋医学的にチェックしてみたところ、まだこの漢方薬で合っている気がしたので同じ漢方薬でまた2週間様子をみてもらう事にしました。
そして、さらに2週間後に様子をお伺いすると、手首は良い時と悪い時があるそうです。
足膝に関してはあまり良くないそうです。
そこで、再度東洋医学的にチェックしなおして、漢方薬の組み合わせの比率を変更してみることにしました。
そしてまた2週間後に様子をお伺いすると、今回は全体的にあまり調子が良くなかったそうです。
そこで、再度、漢方薬をチェックしてみると、どうも今まで使っていた漢方薬は合わなくなっているように感じました。
そのため、別の更年期障害に用いる漢方薬に変更してみることにしました。
そして2週間後、再度様子をお伺いすると、今回もあまり調子は良くないという事でした。
そこで今回はまた、一からチェックしなおしてみることにしました。
そうすると、東洋医学的な更年期障害の反応は消えていて、関節の痛みの反応だけになっていました。
そこから考えると、これが多分、リウマチの反応なので、関節リウマチの漢方薬に切り替えることにしました。
そして、2週間間隔でご相談されて、その都度、漢方薬の組み合わせなどを少しづつ変更していきました。
それに伴って漢方的には状態は改善しているように感じていたのですが、ご本人は痛いし、あまり痛みが変わらないというようなことを言われていました。そして相談の連絡が来なくなりました。
そして約1か月してから再び連絡があり、また漢方薬を出してほしいということでした。
ご本人曰く、飲んでいる間は漢方薬が効いている実感が全くなかったが、漢方薬を止めてから、どんどん痛みが強くなっていって我慢できないレベルになって、初めて今まで漢方薬で痛みがある程度抑えられていたことに気づいたそうです。
関節リウマチの激しい痛みのようなものに対して、漢方薬はじわじわ効いてくるので、その効果を実感できないケースはたまにあります。
そして、その効果を実感するのは止めてからという方も確かにおられるのです。
漢方薬が合っていても、効果が不十分な場合は粉薬ではなく、煎じ薬にする必要があることもあります。
今回はその可能性もあると思いますが、とりあえず、漢方薬が効いていたということで良かったです。
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