漢方薬が子宮筋腫に効いているか?どのような点に着目すればよいのか?なかなかわからないですよね。
私も漢方治療を始めた頃は正直わかりませんでした。
しかし、長年、漢方治療をしてきて、ここが特に大事だな!!というポイントが体験的にハッキリしてきていて、それは子宮筋腫の漢方治療を受けられている誰にでも当てはまるのではないか?と思い、今回はそのお話を実際に来られている患者さんの話に絡めてお話ししたいと思います。
現在、子宮筋腫で約2年くらい通われている患者さんがおられます。
この患者さん、最初に来られた段階で子宮筋腫の大きさが7cmということでした。
そして、1年前は5cmだったという事なので、結構成長スピードは速いのです。
しかし、病院では手術の必要は無いと言われたそうです。
理由ははっきりとはわかりませんが、恐らくこの患者さんの年齢が40代の中頃で、早ければ数年で閉経するからということなのではないか?と思います。
日本人の閉経の平均年齢は50.5歳といわれています。
そのため、そこまでの年齢まで耐えれば、閉経するわけです。閉経すれば基本的に子宮筋腫は小さくなると言われています。
それらの事があって、40代の患者さんは手術をせず経過観察する方が多いのです。
そして、手術にならないために漢方相談に来られる方が多いのです。
この患者さんもそのような理由でご相談に来られたのです。
ただ、漢方で子宮筋腫を治療する場合、ご本人様の握りこぶしより大きいものは治療は難しい(小さくならない)といわれています。
この患者さんの子宮筋腫は7cmでしかも1年で2cmも大きくなっています。
この患者さんの握りこぶしを見せてもらったら7cm位かなと思われました。
そのため、その話を患者さんにして簡単ではないというお話をしました。
それでも治療してみたいとということで治療を始めたのです。
私の薬局での漢方薬の治療は粉薬を使うことが多いです。それは患者さんが手軽に飲めるため、飲み忘れが少なり、身体の中の漢方薬の血中濃度を一定に保てるため、身体の中で常に漢方薬が働いている状態を作り出しやすいからです。
しかし、粉薬は一般的に煎じ薬の7~8割の力しかないと言われています。
それでも、毎日毎日ちゃんと飲んで血中濃度を保つことが大事なので粉薬で出すことが多いのです。
しかし、子宮筋腫に関しては経験的に粉薬では効かないことが多いのです。
そのため、子宮筋腫の治療に関しては原則、煎じ薬で行っています。
この患者さんも煎じ薬の服用となりました。
漢方治療を開始して、その病気が改善しているかどうかの判断というは自覚症状がある場合は簡単です。
例えば疲れやすいや冷え(自覚症状)があるのであれば、その症状が軽減してくるかどうかで判断できますが、子宮筋腫のように器質的疾患(臓器が実際に他覚的(画像)でも判断できる疾患)の場合、画像で判断しないとわかりません。
しかし、子宮筋腫の場合、病院にそんなにしょっちゅう行くこともないですし、そのため、画像による検査はそこまで高頻度(半年に1回程度)にはしないことが多いのです。
そのため、それ以外のところで何か指標になるものが漢方の場合必要になるのです。
その中で大事な指標となるのが舌裏の状態です。
そしてもう一つ最重要なのが生理の状態です。
どうして舌裏の状態が重要なのか?というと、舌裏には舌下静脈という静脈が走っており、これが血流の状態を判断する目安となるのです。
なぜなら子宮筋腫は漢方的には100%瘀血(血流障害)が原因で起きる病気だからです。
①舌裏の怒張(舌下静脈が太く長くなっている状態)が酷ければひどければひどい程瘀血が酷いのです。
次に生理の状態です。
生理の状態の中で子宮筋腫と関係が深いのは生理の血塊と生理の量です。
②生理の中に血の塊が多ければ多い程、瘀血(血流障害)が酷いと考えるのです。
③そして、生理の量が多ければ多い程、瘀血(血流障害)が酷いと考えるのです。
この①~③の中で漢方治療が合っていれば
②→①→③の順番で改善していくことが多いです。
①つまり、舌の裏の静脈が薄くなり、短くなり消えていく
②血の塊が減っていく
③生理の量が減っていく
このようなことが起きるわけです。
この逆のことが起こっているのなら悪化している可能性もあります。
現在来られている患者さんもやっと③生理の量が少し減ってきて少し希望が見えてきたところです。
もし子宮筋腫があって漢方で治療されている方は一つの参考にしてください。