昔、うちの漢方薬局に来られていた患者さんからの紹介で慢性関節リウマチの患者さんが来られました
この患者さん、随分長く慢性関節リウマチを患っているそうです。
もうすぐ70歳ということもあるのかもしれませんが、とにかくリウマチに伴う変形が進んでいて、手のひらはもう常に閉じた状態で、手のひらを広げることはできません。
かろうじてスプーンかフォークなどを握ることはできるかどうかぐらいのレベルです。
見た目は相当重症です。
それ以外に大きな病気などは過去にされたことがないかなどを伺いすると、現在は落ち着いているそうですが、心臓弁膜症があるそうです。
それ以外に、腎臓も、良くないそうで、1年前は透析を、受けていたそうです。
また血圧も高めで一番高い時は最高血圧が200を超えていたそうです。
現在は落ち着いているそうです。
それと、一番問題なのは、過去に6回転倒されていることです。
そこ際に何度か骨折されているのです。
また、もともと骨粗鬆症もあるのだと思いますが、去年、屈んだだけで圧迫骨折をされたそうなのです。
その影響もあるのか、今日は家族の方に車椅子を押してもらってこられたのです。
そこで今日はどのような相談かお伺いすると、膝がズキズキして痛いそうです。
特に右の膝がおかしいそうです。
そして足のふくらはぎがとてもだるいそうです。
それでも距離が短ければ歩くのは歩けるそうです。
実際、お家の中は歩いているそうです。
膝にはかなり厚めのサポーターが巻いてあり、その影響もあってか非常に足が細くなっています。
そして腰も変わらず悪いそうでコルセットをしているそうです。
このように様々な症状があるのですけれども、予算的なことも考えて、今回はリウマチのよる膝の痛み一本に絞って漢方薬を出しすることにしました。
薬は慢性化したリウマチの患者さんに使うものです。
そして、症状がひどいせいだと思うのですが、年齢から考えると用量としてはやや多いと思われる量が合っているような気がしました。
そして何日も渡しするかお伺いするとなかなか連れてきてもらうのが難しいので1ヶ月分お作りすることにしました。
そして1ヶ月後この患者さんが再度お見えになって症状をお伺いすると・・・
膝のズキズキする痛みも随分減っているそうです。
ただふくらはぎのだるさはまだ残っているそうです。
そこで普段の生活をお伺いしてみると、基本ベッドの上で生活しているのだそうですけれども、そこに荷物を沢山持ち込んでいる結果、こうしたベッドが狭くなってしまって膝を立てて寝ているそうなのです。
そこで面倒でも荷物を一部床下に置いて頂いてベッド広くして膝を立てなくてもすむように寝てもらうようにお願いしました。
そして同じ漢方薬で1ヶ月様子を見ていただくことにしました。
そして1ヶ月後に来られた際にお伺いすると、膝の痛みは全くなくなったそうです。
そしてふくらはぎのだるさも全くなくなったそうです。
当初、ご本人が困っておられた症状は全てなくなったことと、 ご家族の方にわざわざ連れて来てもらうことに対する気兼ねや予算的な ことからとりあえずあと1ヶ月分お薬を持って帰られて様子を見ることになりました。
それでも2ヶ月で、日常の生活に不自由がなくなったことに大変喜んでおられたのでよかったです。
ほっとしました。