お母さんがお子さんを連れて来られました。

この方、お子さんとご自身の漢方相談に来られている方からの紹介で来られたのです。

この息子さん、現在小学校の2年生なのですけれども、全く夜尿症(おねしょ)が治る気配がないため、お母さんが心配して連れてこられたのです。

どのぐらいの頻度で夜尿症(おねしょ)をされるのか?お伺いしたところ、ほぼ毎日出るそうなのです。

1か月単位でみると、大体、うまくいくのが月に1回から2回なのだそうです。

そのため、1週間単位だと、夜尿症(おねしょ)がうまくいくのは良い時で1回、全部失敗してしまう時の方が多いというようなことを言われていました。

そこで、この夜尿症(おねしょ)の患者さんに合う漢方薬を探すことにしました。

夜尿症(おねしょ)に関しては、これを飲めば必ず夜尿症(おねしょ)が良くなるというような夜尿症(おねしょ)専門の漢方薬があるわけではないのです。

その患者さんの夜尿症(おねしょ)起こす原因を見極めて、その原因を改善する漢方薬を飲むことで結果として夜尿症(おねしょ)が改善するのです。

例えば、その子さんが冷えることが原因で膀胱が小さくなり、おしっこが早く出てしまう結果、夜尿症(おねしょ)が出てしまうような場合には温める漢方薬を飲むことで膀胱が広がって夜尿症(おねしょ)が出にくくなったりするわけです。

また、膀胱の筋肉がの締める力が弱くても夜尿症(おねしょ)の原因となります。

膀胱の筋肉の締めるが弱いと、寝ていて意識のない時におしっこが少しずつ漏れ出てしまうわけです。

この膀胱の筋肉の締める力が弱いタイプの子は多くの場合、疲れやすいことが多いのです。

身体が疲れやすいということは、膀胱の筋肉も疲れやすいので、尿が出ないように締め続けていく力も弱いわけです。

そのため、元気をする薬を飲むことで膀胱の筋肉も強くなり、膀胱の締まりも強くなり、結果として夜尿症(おねしょ)が出にくくなるのです。

漢方治療イメージ

このように、どうしてその患者さんが夜尿症(おねしょ)起こすのか?ということについて、原因を探っていって、それを改善させてゆくことが夜尿症(おねしょ)の治療につながるのです。

この患者さんの場合は、元々、親からもらったエネルギーが少ないタイプ (生まれながらの体質が虚弱)なように感じました。

そのため、先天的な虚弱性を徐々に改善していくような漢方薬に元気にして、胱の締まりを良くするような漢方薬を組み合わせてみることにしました。

そこで、この漢方薬を1週間服用していただくことにしました。

そして1週間後、来られた時に症状の変化をお伺いすると、今までは良い時で1ヶ月に2回しか成功しなかったのに1週間でもう2回成功したということでした。

そこで、再度身体の状態を気功でチェックしてみると・・・薬の方向としては合ってるような気がするのですけれども、ちょっと何か生薬が足りない気がしました。

そこで、元気にする方の漢方薬の種類を少し変えてみることにしました。

この漢方薬を服用していただいてまた、2週間後に来ていただくことにしました。

とりあえず、少しですが、短い期間で改善していたのは良かったです。

ホッとしました。