食欲不振について

食欲不振とは読んで字のごとくですが、食欲が振るわない状態のことです。ただし、食欲がなくても、実際には食事をみて食べてみると意外に食べれる状態は食欲不振にはあたりません。むしろ食欲不振に該当するのは、お腹はすいているのに、実際に食べようと思って食事をしようとすると食べられないという方の方が食欲不振に該当することがあります。

食欲不振と漢方治療

食欲不振は日常でもよく起こる症状の一つです。自然に良くなることもありますが、なかなか治らず、病院でも治療に苦労することが多い症状でもあります。胃炎や胃潰瘍のように原因がはっきりしている場合は病院での治療も有効ですが、原因がはっきりしない場合、非常に苦労するのです。病名が分からない場合でも漢方はその方の症状・体質に合わせ薬を選ぶことが基本であるため、漢方の得意分野であると思われます。

食欲不振を起こす原因(病名)

慢性・急性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、膵炎、胆のう炎、肝炎、肝硬変、過敏性腸症候群、便秘、神経症、自律神経失調症、うつ病、更年期障害、かぜ症候群、悪性腫瘍、腎不全、うっ血性心不全など

食欲不振の漢方薬による治療

食欲不振に吐き気を伴う場合・・・半夏瀉心湯
特に小児でおなかの冷えを伴う場合・・・小建中湯
お腹を中心とした冷えを伴う場合・・・人參湯
もともと胃腸が弱くやせ形のタイプ・・・六君子湯
病気で体力を消耗して食欲不振になった場合・・・人参養栄湯
夏バテで食欲不振になった場合・・・清暑益気湯