アデノイド(扁桃炎)とは
正式にはアデノイド増殖症といいます。
アデノイドそのものは組織名なのですが、これが広く一般名として知られているのです。
アデノイド増殖症は3歳から6歳くらいので最大に大きくなり、通常は8歳~10歳くらいになると、自然に小さくなることが多い子供特有の病気です。
アデノイドが増殖する原因としては、遺伝的な体質や感染症からの炎症の繰り返しによるものが多いと考えられています。
アデノイドは咽頭扁桃とも言われ、扁桃腺と同じリンパ組織の一つです。
アデノイドは解剖学的には鼻の一番奥で、喉の一番上の上咽喉と言われる場所に存在しています。
そのため、アデノイドが増殖し、過度に肥大すると、鼻を後ろ側から塞ぐことになり、鼻づまり、口呼吸やいびきなどの症状を出しします。
また、この場所は耳と鼻を結ぶ耳菅開口部付近にも位置しています。
そのため、アデノイドが肥大して耳管開口部を塞いでしまうと慢性的な耳管狭窄症を引き起こしますし、この耳菅狭窄症によって耳管の働きが悪くなるため、滲出性中耳炎を引き起こしやすくなるのです。
このアデノイド増殖症および口蓋扁桃肥大が重症化してくると、鼻づまりによる呼吸困難や睡眠時無呼吸症、成長障害や集中力低下のための学習障害、さらに重症化すると肺高血圧症、心不全などの合併症を引き起こすこともあります。
また、症状が長期化することによって、口を開け、舌を突き出した顔つきのアデノイド顔貌や漏斗胸、鳩胸などの胸郭の変形をきたすこともあります。
アデノイド(扁桃炎)の西洋医学的治療
アデノイドは10歳くらいには小さくなってゆくため、症状が軽度であれば、経過観察や症状に応じた対処療法(感染症の場合は抗生物質、鼻炎などの場合には鼻の通りを良くするような薬)が用いられることが多いです。
しかし、症状が重い場合や、合併症や変形をきたしているような改善が見込めない場合には摘出手術を勧められるケースもあります。
このような状況になっている場合には口蓋扁桃肥も併発していることが多く、手術の際には口蓋扁桃も併せて摘出手術されることが多いです。
アデノイド(扁桃炎)と漢方薬による治療
アデノイドと扁桃炎は西洋医学的には別の病気ですが、漢方的にみて原因を探ると同じなのです。そのため用いる漢方薬も基本的に同じです。
アデノイド(扁桃炎)に用いる代表的な漢方薬
桔梗湯・・・喉の痛みや腫れを主訴とするような場合に用いる
葛根湯・・・鼻閉塞を主訴として頭痛や頭重などの症状がある人に用いる・・・
小柴胡湯・・・体力が中程度で症状が亜急性~慢性の方に用いる
荊芥連翹湯・・・体力中程度で浅黒く、慢性中耳炎や縵性鼻炎を併発している方に用いる
小建中湯・・・風邪を引きやすい虚弱な体質の改善に用いる
アデノイドの改善症例・体験談
アデノイドのお子さん2週間の漢方薬の服用で口臭が随分減りました
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