今日久しぶりにうちで不妊治療をして、見事妊娠した患者さんからTELがありました。
無事出産しましたとのことでした。
今出産してから4か月くらい経過したのだけれど、ここ最近体調が思わしくないとのことで、体の状態を診てほしいとのことでした。
そこでなんとか時間を作ってきたもらうことにしました。
そうしたら、この方のお姉さんも赤ちゃんを連れてきていました。
実はこのお姉さんもうちで不妊治療をして見事妊娠されたのです。
姉妹そろって妊娠されたのは本当に喜ばしいことですが、この体調の悪い彼女を診る前に赤ちゃんのほうが気になりました。
皮膚の状態がひどいのです。
現時点では乳児湿疹なのかアトピー性皮膚炎なのか判断が難しいところですが、とにかくかなりひどい状態です。
お父さんがアトピーなの?と訊くと、いえ昔私がアトピーだったんですとのこと。それには驚きました。
というのも今は全くそのような痕跡が一切ないのです。
アトピーの人って、現在どんなに良くなっていても、なんとなく昔そうだったんじゃないのかと推測できそうな雰囲気があるものなのです。
それが本当にないのです。
驚いていると、彼女のお姉さんも実は私もアトピーだったというのです。
それもまたまたびっくりです。本当に全くそんな気配はないのです。
そういう話を聞いて再度、まじまじと見てみても、やっぱりわかりません。
完全に治っているといっていいのだと思います。
そしてこのお姉さんのお子さんもこの間までは皮膚の状態がひどかったそうです。
いまはこれまたずいぶんよくなっているので一見しただけではわからない感じです。
そうすると、この子の場合はアトピーなのかもしれないということになっています。
まあ乳児湿疹にしろアトピー性皮膚炎にしろ気を付けるべきことがあります。
それは断乳をできるだけ遅くすることです。
少なくとも赤ちゃんが積極的にお乳を飲もうとする間はお乳で育てるべきなのです。
なんちゃらクラブなんかには離乳食は早くした方が子供の成長によいとか書いていますが、そんなことはありません。
あまり早く離乳すると胃腸が出来上がっていないうちにいろいろな食べ物を体に入れるとそれを十分消化分解できないまま体に吸収してしまうのです。
そうするとアミノ酸のレベルでなくタンパク質のレベルで吸収してしまうとその吸収した物質に対して抗体を作ってしまうのです。
そうすると、次に同じ物質が入ってきたときに抗原抗体反応が起こることになるのです。
つまりこれがアレルギー反応の引き金になっていることがあるのです。
その結果、乳児湿疹やアトピーの原因になったりしているのです。
乳児湿疹のお子さんはある程度の年齢になると胃腸が出来上がって消化能力が上がって、なんでもちゃんと消化分解してから腸から吸収されるようになるため湿疹を起こさなくなるようになるのです。
アトピーのお子さんはほかにも原因があるか、消化力が低下したままの状態が続いているのだと思います。
ということなのでできるだけ断乳と離乳食を与えるのは極力遅めにした方が良いのです