ご家族の紹介で患者さんが来られました。
症状は頭痛、不眠症、肩こりだそうです。
いつからこの症状になったのかお伺いすると、約半年前からだそうです。
この症状になられた原因について何か心当たりが半るかお伺いしたところ、ほぼ同時期から単身赴任を始められたそうなのです。
上記に挙げられた頭痛、不眠症、肩こり3つの症状共に、この時期、厳密には単身赴任が始まる少し前の時期から出てきたそうです。
この時間経過と症状の出てきたタイミングを考えると、これが原因として可能性が高いと思われました。
ただ、この方、現病歴に高血圧、高脂血症(高コレステロール血症)、糖尿病もあるため、高血圧による頭痛の可能性も否定はできないのですが、降圧剤を飲んで血圧が安定しているのにも関わらず痛みがあることから高血圧の可能性は低いと思いました。
また、それ以外に睡眠時無呼吸症があるということでシーパップをつかっているということでした。
病院で出されているお薬としては高血圧の薬、筋弛緩薬、睡眠薬、コレステロールを下げる薬、そして痛み止めを服用されていました。
頭痛の場所は後頭部でジンジン痛いそうです。
痛みは基本毎日あり、一日中痛いそうです。
そのため、痛み止めを1日2~3回飲むことが多いということでした。
それでも朝起きた時に痛みがあることが多いということでした。
また、頭痛に関してですが、お酒を飲むとなぜか痛みが止まるのだそうです。
そのため、ついついお酒を飲んでしまうということでした。
これらの話を一通りお伺いして、どう考えても、ストレスが原因の頭痛以外には考えられないと思いました。
さらに、様々な東洋医学的なチェックを行い、最終的に出したのはやはりストレスを緩和するための漢方薬でした。
それを、とりあえず2週間分お出して様子を見ていただくことにしました。
また、それと同時に、問診を通じてこの患者さんのストレスが発散するようなことを提案し、実践していただくことにしました。
そして2週間後来られた際に様子をお伺いすると・・・
夜眠れるようになったそうです。
そして、少し肩凝りが楽になったそうです。でも頭痛は全く変わらないということでした。
最初の2週間としては順調な気がします。
そのため、同じ漢方薬で様子を見ることにしました。
そして2週間後は、今までよりもさらに睡眠時間が増えたそうです。
肩凝りも前より少し良いそうです。
しかし、頭痛は変わらないとのことでした。
頭痛に若干の変化が出たのは漢方薬用から1か月半くらいからで、日によって多少違うと言われるようになりましたが、基本痛み止めは相変わらず1日3回服用されているとのことでした。
そして漢方薬を服用し始めて2か月経過した頃から痛み止め1日2錠で過ごせる日が出てくるようになりました。
そして漢方薬を服用し始めてから約3か月でほぼ毎日1日2錠の痛み止めで過ごせるようになってきました。
この頃からもともと服用していただいていた漢方薬にさらに別の漢方薬を追加するようになりました。
それも良かったのだと思いますが、服用から約4か月で痛み止めを1日2錠飲まなくても良い日が出てきました。
そしてご自身でも頭痛が前よりも良くなってきていることを実感されているようでした。
そして漢方服用から4か月半で朝起きた時に痛かった頭痛を感じなくなってきたそうです。
そのため、ほとんどの日を1日1錠の痛み止めで大丈夫なようになってきたそうです。
そして5か月経過した頃から、1日2回の服用の漢方薬の夕方服用前くらいの時間帯に頭痛が出やすいことに気が付いたそうです。
その話を聞いて漢方薬の血中濃度が低下した頃にどうも頭痛が出てきていると思われたため、漢方薬の服用回数を3回に変更してもらうことにしました。
そうすると漢方薬服用から6か月目には漢方薬だけでやっていけそうな感じがしてきたと患者さんが言われるようになりました。
実際2週間の間に痛み止めを用いたのは1回だけだったそうです。
それから2週間後も順調だったのですが、
漢方服用開始から7か月目で良かったり悪かったりする日があると言われるようになりました。
どうしてだろう?と疑問に思っていろいろお話をお伺いしたことろ、白内障が悪化してきていて、見えにくい分、かなり目を酷使するケースが増えてきているみたいでした。
目を酷使することによる目の周辺および頭部や首の緊張・凝りが後頭部の頭痛に影響を与えているように思われました。
この状況が3か月以上続いたことと、目そのものが見辛いということで、1か月に白内障の手術を受けられることにしたのです。
つまり漢方服用から8~10か月は良かったり悪かったり、11か月目くらいに白内障の手術を受け、手術の状態が落ち着いてきたのは12か月後でした。
実際にこの12か月後くらいから再び頭痛の状態が良くなりました。
基本漢方薬を飲んでいれば頭痛は出ない状態でした。
ここからが本当の体質改善の時期になります。
白内障の手術後から約半年、頭痛の症状は出なくなってから約5か月漢方薬を服用していただきました。
この体質改善を行って初めて漢方薬を服用されなくても頭痛が出ない状態まで持っていくことができるのです。
職場も、単身赴任も変わっていないので、今もストレスは続いているので、それでも頭痛が出ない状態にするにはそれくらいの体質改善の期間が必要になるのです。
気か付けば1年と4~5か月経過しましたが、漢方薬を服用しなくても頭痛は出ることは無く、無事卒業することができました。
良かったです。
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