HPを見て少し遠方から不妊治療のご相談に来られました。

この方は40代でAMHは1を切っており、生理が始まる数日前から少量の出血が起きるそうです。

また、子宮筋腫もあるそうですが、妊娠には特に影響がないといわれたということでした。

生理周期はもともと28日周期なのだそうですが、来られた当初は20日~24日とかなり生理周期が短くなってきていました。

ところが今回は1か月半近く経っても生理が来ないので病院にも行ってみたそうですが、はっきりしたことはわからず、もう少し待って、妊娠検査をやって妊娠しておらず、生理も来ないようだったら再度来てくださいといわれたそうです。

結果として生理はまだ来ておらず、それも不安の要因の一つになっていたようでした。

40代になってくると、卵巣機能の状態は人によって本当に大きくバラツキが出てきます。

そのバラツキが生理周期の乱れという形で現れることがあるのです。

特に、低AMHになってくると、たまに生理周期がとぶような現象がでてくることがあります。

多くの方は1周期生理が飛ぶと、しばらくはまた、定期的に生理が来るようになります。

恐らくこの方もそうなるだろうと思いました。

むしろ、それよりも生理の周期がもともと28日周期だったのは20日~24日に短くなったことの方が問題だと思いました。

この現象は恐らく腎虚(じんきょ:加齢に伴って起こってくる問題)なのです。

そこでまずは腎虚を改善する漢方薬を服用していただいて様子をみることにしました。

そこから、同じ漢方薬を1か月くらい服用していただいてやっとちゃんとした生理がきました。

その次の月も比較的順調に生理がきました。

このまま、順調に行くかと思ったのですが、最初に使っていた漢方薬が合わなくなり、この患者さんにフィットする漢方薬がなかなか見つからない状況が2か月くらい続いたのです。

その2か月後くらいからやっと合っていると思われる漢方薬を見つけて、約2か月程度服用していただきました。

しかしまた、そこから漢方薬が合わなくなり、別の漢方薬になりました。

そこから約1か月間隔位で何度か漢方薬の変更を繰り返しました。

この間に何度かの生理不順になりました。

しかし、この患者さんの場合は残卵数の低下に伴う生理不順なので、生理不順の治療は行わず、不妊を改善するために絞って漢方治療を行いました。

そして、その後またさらに漢方薬を変更したのですが、この漢方薬はかなり根本的な体質に合っていたようで、この漢方薬に変えてから比較的基礎体温も生理周期も落ち着いてきました。

そしてこの漢方薬を服用されて約5か月経過した時点で基礎体温や東洋医学的な不妊のツボの反応などをチェックし、これ以上治療する必要がないと感じたので、妊娠されてはいないのですが、漢方治療を終了することにしました。

ただ、この患者さんは40代なので、年齢による別の不妊の原因が出てくる可能性もあるので、基礎体温などは継続的にチェックして何か気になることがあればメールで基礎体温を送ってもらってチェックするようにするというお話をしました。

そして、漢方薬を服用せず、身体の状態を維持するための養生法に関してもお伝えしました。

少し、不安もありますが、とりあえず卒業です。