食物アレルギーがある人は食べ物に気を付けている人が多いです。でもそういう人こそ気を付けるべきことがあります。

それはあまり自然主義に偏らないことです。自然食ブームの流れの一つとして、食べ物は皮ごと食べた方がよいという風潮があります。実際に漢方の食養生のなかにも一物全体といってたとえば魚であれば頭からしっぽまで食べた方が良いという考え方があります。

植物に例えるなら根っこから葉先、茎、実、皮に至るまですべて食べた方が良いというのが原則です。しかしアトピー性皮膚炎の患者さんは些細な刺激にでも敏感であるケースが多いのです。たとえばさまざまな植物の皮にはうまみがあるといわれていますが、漢方で使われる植物の部位も皮に相当する部分が多いのです。それはなぜか?その部分に薬理的な作用を発揮する成分が多く含まれているからです。

そのため皮の部分はそういう植物の効能的な作用を有している場合が多いため、もし合わないと悪化させる可能性があるのです。そのため食物アレルギーの多い患者さんに関しては皮を除去して食べた方が無難なことが多いのです。健康になるために一生懸命やったことがよくない結果を招くこともあるのです。