昔、漢方相談されて症状が改善した患者さんの紹介で、新しく患者さんが来られました。
この患者さん、最近になって早朝に手のこわばりが出てきたそうです。
最初は指の第一関節だけだったそうですけれども、 それが徐々に広がって現在では朝、手の指から肘までがピキピキするそうです。
それ以外に微熱が続いていること、肩の痛みと1か月前に肘がピキッとなってから痛むという症状があるそうです。
心配になって大きな病院で検査をしてもらったそうですけれども、リウマチではなかったそうです。
しかし、 リウマチでないことはわかっても、この症状がどういう病気なのか?病名らしい病名は言われず、症状だけが広がっていくことに不安を感じておられたようです。
そこで私の薬局を紹介されて来てみようと思ったそうです。
この患者さんは年齢的には更年期にさしかかっている年齢でした。
そして、このような症状というのは更年期障害でも出ることがあります。
しかし、漢方歴問診で更年期障害に関連するような他のめぼしい症状は見当たりませんでした。
また、この患者さんはいくつかのサプリメントや健康食品を飲んでおられました。
このようなサプリメントや健康食品が原因で関節の症状を起こすこともあります。
そのためこれらのサプリメントや健康食品についてもチェックしたのですが、それも特に問題ありませんでした。
更年期障害やサプリメント健康食品などが原因でないとするならば、一般的に考えられるのはヘパーデン結節です。
ヘバーデン結節とは手の指の第1関節が腫れ上がって、 徐々に変形して曲がってしまう病気です。
原因ははっきりわかっておらず、この病気を最初の報告者のヘパーデンの名にちなんでヘバーデン結節と呼ばれています。
病名がついていなくてもこの症状を呈している患者さんは案外多いのです。
一般的にバーデン結節は、人差し指から小指にかけて第一関節が赤く腫れて痛みを伴うものが多いと専門書に書かれていますが、私の薬局には痛みよりも手や指のこわばりを訴えられる患者さんが多いです。
そのため、へバーデン結節の漢方薬が合うかどうかチェックしてみることにしました。
そうすると、この漢方薬が合いそうな気がしたので、とりあえず2週間服用していただくことにしました。
そして、2週間後に来られた際に様子を伺いすると・・・指から肘にかけてのピキピキするような感じはほぼ無くなったそうです。
また微熱もおさまり、肩も良くなってきたそうです。
後は肘の痛みが残っているそうです。
とりあえず症状が順調に改善しているので、同じ漢方薬をまた2週間服用して頂いて様子をみることにしました。
患者さんの紹介ということもあって、どうだろう?と思っていたのですが、症状が順調に改善していてよかったです。