顔の肌荒れや瞼の腫れ手のかゆみなどのアトピー症状の漢方相談に来られている方の話です。

この方、元々は、生理前に皮膚の調子が悪くなるということで相談に来られていたのです。

その症状に関しては漢方薬を服用して改善されたのです。

そして、再び漢方相談をしたいということで来られた際に、強く言われていたのが顔の肌荒れや瞼の腫れだったのです。

この患者さんの瞼の腫れには、最初は食べ物に対するアレルギーなども多少あったのですけれども、そういったものに対する食事制限をしても、部分的な改善しか見られませんでした。

そこで、それ以外の原因を探してみたところ、黄砂の影響を受けていたようなので、肌を黄砂から守るような保護するクリームなどを塗ってもらったのですけれども。それでも改善は十分ではありませんでした。

更に、原因をチェックしたところ、肝臓の解毒機能に問題がありました。

そこで、肝臓の解毒機能を高めるような漢方薬を服用していただいたところ、症状が大分良くなりました。

この状態ではたからみた状態としては、まぶたの腫れや赤みはほとんどわからなくなりました。

しかし、患者さん本人の自覚症状は残っているということでした。

漢方治療イメージ

そこで、再度、右瞼の状態をチェックしたところ、この患者さんの言われている症状は皮膚表面でなく、皮膚の下の筋肉の問題なのではないか?
と感じました。

そして、その筋肉の張りによる違和感が発生するのは、患者さんの化粧の落とし方(スキンケア)に問題があるのではないかと思ったのです。

その話は患者さんにもしました。

しかし、化粧の落とし方(スキンケア)を注意しても、その後も特に右瞼の状態に変化は見られませんでした。

全体としては、皮膚の状態は小康状態が続いている状態でした。

それでも、患者さんは、右目の上の状態が気になるとしきりに言われていました。

でも、実際チェックしてみても、現時点では、患者さんのスキンケアのやり方以外に問題となっているものは見つけることができませんでした。

そのため、お薬は引き続き肝臓の解毒機能を高める漢方薬だけを続けていました。

そして、お薬を作ってお渡しする際に、患者さんから何気なく、今、鍼灸に通っているんですけれども、その治療は合っていますか?と言うことを聞かれました。

その患者さんは純粋に、現在受けている鍼灸治療が自分自身の肩こりなどに効果的なのかどうか?を聞きたかったのだと思います。

それを聞かれてチェックしてみると、そこのはりきゅうの治療院で治療を受けているツボの場所と右の瞼のこの患者さんが気にしているところが一致するのです。

そこで、もう少し詳しく話を聞いてみると、この患者さんはこの治療院で鍼と灸の両方の治療を受けているそうなのですけれども、私が関係していると思ったツボに必ず毎回お灸をされるそうなのです。

そこで、さらに細かくチェックしてみると、どうもこのお灸の治療がこの患者さんには合っていない気がしました。

そして、患者さんに冷え症はあるのか、確認してみたところ、冷え症は特にないそうでした。

一般的にお灸の治療が効果的になのは冷え性が原因となっているとか、虚証(身体が弱っている)ことが原因になっている時です。

そのため、鍼治療は続けてもらっても良いと思うけど、お灸をメニューから外してもらったらどうだろう?というお話をしました。

それから、再び2週間後に患者さんが来られました。

パッと見、何となく調子が良さそうな気がしました。

そこで、実際に患者さんに右目付近の調子はどうですか?と尋ねたところ、すごく調子が良いそうなのです。

あれから鍼灸には行っていないそうでした。

私は正直、鍼治療は合っている気がしたのですが、患者さんは本当に影響しているのか知りたかったのかもしれません。

結果としてはやっぱり影響していたということです。

私もいろんな患者さんを今まで診てきましたが、こういうのを経験したのは初めてでした。

改めてですが、こんなこともあるのですね。