坐骨神経痛と経絡について

腰痛と関連する経絡は非常にたくさんあるのですが、坐骨神経痛と関連する経絡は限られてきます。特に標治(対処療法的)の場合は、さらに限定的になると思います。
経絡と痛みについての基本的な考え方ですが、経絡とは体の中を気とか血とかが流れている通り道のことです。イメージとして血管や神経系に近いものなのですが、これは解剖学的には証明されていません。西洋医学的解釈をするなら、概念上のものと考えられています。経絡に問題が生じる(経絡の流れが阻害される)とその経絡の走行線上に問題が生じます。それが多くの場合痛みやしびれであったりするのです。
このような状態を東洋医学的には不通則痛といいます。通じざればすなわち痛む→流れが悪いと痛みが生じるということです。
これが基本的にすべての経絡で当てはまります。
そしてこの基本的な考え方を坐骨神経痛に当てはめると坐骨神経痛の走行部位に痛みを生じさせているということはその付近を走っている経絡の流れが悪くなっているからというふうに解釈できるのです。
そうするとこの坐骨神経痛領域を走っている経絡は何か?というと・・・それは膀胱経という経絡なのです。

膀胱経は非常に長い経絡で足の先から頭までつながっています。
そして前側(お腹側)でなく背中側を通っているのです。いわゆる按摩・指圧マッサージの方が主に治療されている背中のツボはほとんど膀胱経の経絡上にある経穴(ツボ)を刺激しているといってもいいのです。
坐骨神経痛が起こるというのことはこの膀胱経の主に下半身の流れが悪くなっている可能性が高いのです。そのためこの膀胱経の下半身の流れをよくすることができれば、坐骨神経痛の痛みも緩和されるはずなのです。
その流れをを詰まらせている部分と関連するツボは多くの場合凝っていたり固くなっていたりするのです。そのコリや硬さを取り除くことができると経絡の気血の流れが回復し、痛みが取れるというのが基本的な経絡治療の考え方なのです。