患者さんが来られました。
この方、まだ学生さんだった頃にご家族と一緒に来られていた患者さんでアトピーの治療をしていました。
もうその症状は落ち着いたので、もうずいぶん漢方薬は服用されていなかったのです。
そして久しぶりに来られたのですが、社会人になられていました。
そこで、今回のご相談内容をお伺いすると・・・
ここ最近特に胃腸の調子が悪いそうなのです。
具体的には、吐き気がある、そのせいもあって食欲が無い、胃酸が上がってくることがある、下痢がある、これらの結果、体重も減ってきているのだそうです。
この方、もともとやせ型なので、これ以上瘦せていくと後々体力的にも厳しくなるかもしれません。
ということで、全体的にもう少し詳しくお話をお伺いしました。
そうすると、これ以外にものどの詰まり、寝入りが良くないなどの精神的なストレスが原因で起こるような症状も一緒に出ていました。
そこで、これらの症状はいつから出始めたのか?をお伺いすると・・・
やはり、社会人になってからだという事でした。
まあ、そうですよね・・・

ただ、ここら辺に関してお話をお伺いしたところ、職場でパワハラがあるとかではないみたいでした。
自分自身が仕事に一生懸命取り組むことによるストレスのようでした。
この部分はどうしようも無いので、とりあえず、この患者さんに合う漢方薬を探してみることにしました。
そこで改めて、東洋医学的な問診やそれ以外の東洋医学的なチェックを行い、この患者さんに合うと思われる漢方薬を出してみることにしました。
そして2週間後に来ていただいたのですが、症状をお伺いすると・・・少しは良いそうです。
ただ、漢方薬の組み合わせは少し変えた方が良さそうだったので、少し変えてまた2週間で様子をみてもらうことにしました。
そして2週間後、前よりは気持ち悪くないそうです。そのため前よりは食べれるようになってきているそうです。
さらに1か月後には、食欲は無いけれど、食べれているそうです。そしてのどの詰まりも無くなり、下痢も無くなったそうです。寝つきは良くは無いけど、前よりは眠れているそうです。
症状も改善していますので、基本の漢方薬は合っているように思いました。
ただ、症状に関して今まで継続的に聞いていると、どうも仕事量が増えると胃腸などの症状が出やすい傾向があることが分かりました。

そして、今後仕事量が増えていくことが予想されました。
そのため、そこら辺の漢方的な調整を行いました。
次来られた時には胃腸の状態が最近変わってきたそうです。
最初の頃は食べる前から気持ち悪かったそうですが、最近は食べる前は普通になってきているそうです。ただし、食べ始めてしばらくすると気持ち悪くなるそうです。
どうも仕事量が増えて仕事のストレスが増えてきているみたいです。
それに合わせて、さらに漢方薬を追加しました。
そして、さらに2週間、4週間と経過して、徐々に体調に安定感が出てきました。
仕事は忙しいけれど、そんなに悪くない、食べれている、体重も変わっていないという感じで落ち着いてきている印象でした。
ただし、その時々のストレスに応じて漢方薬の調整は行いました。

そして次来られた時には、仕事がかなりきつかったみたいで、2週間ぶりに休みが取れたと言われていました。食事に関しては食べれないことは無いけれど、食べる量が減って、体重が再び減ったそうです。
ただ、気持ち悪くなるというほどにはならなかったみたいです。
そのため、この頃から3週間~1ヵ月間隔くらいの頻度のご相談に変わりました。
仕事はどんどんハードになってきているようでした。
そして、この間久しぶりに空腹時にえずく感じが出たそうです。
どうも、精神緊張が増えてきているようだったので、緊張を緩めるような漢方薬を追加しました。
そして調子が再び落ちてきているので相談の頻度を2週間間隔に戻して、来られる度に漢方薬の調整を行いました。
そして仕事の負荷がさらに上がった時、たまらず病院に行って胃薬をもらってきたそうです。
漢方薬もストレスの緊張を緩めるようなものに関しては量を増やして対応しました。

そこから、またさらに仕事がハードになっていったのですが、徐々に徐々に仕事のストレスに耐えれるようになってきているように思えました。
それが漢方の影響なのか?それとも、患者さんの人間的な成長によるものなのかは厳密には分かりませんでした。
言えることは、仕事がハードでも何とか食べれていること、体重が変わらなくなったこと。
時折、しんどさが出るのと喉の詰まりが出るみたいですが、継続するわけではないですし。このしんどさも最初は精神的なしんどさを言われていたみたいでしたが、最近は物理的に仕事がハードなためにしんどいに変わってきていることをご本人も自覚しているようでした。
そして仕事の山を一つ越えるごとに、ストレスによる精神的な調子の悪さも改善しているように思われました。
さらに1ヵ月経過した頃には仕事は忙しいけれど、しんどいというのが減ってきていると言われるのです。
体調はボチボチをキープしているみたいです。
そしてさらに1か月後にはさらにもう一山、仕事の峠を越えたそうです。
この辺りを境に体調はどんどん良い方向に向かっていきました。
1か月後から徐々に減薬方向に向かい始めました。
それでも、仕事がハードになると気持ち悪い(食事中or食後に上がってくる)症状はちょいちょい出てきますが、自力で回復しているような感覚がありました。
そして、漢方薬も少しずづ減っていきました。
そしてさらに1か月後には、調子の悪い日が無くなり、ご自身でかなり良いと言われました。
ただ、今度入社して初めての出張があるという事で緊張されていました。
それでも調子が特に崩れたとかはありませんでした。
そして2週間後、出張に行かれて帰ってこられたタイミングが漢方相談日でした。
そこで、出張前後の体調をお伺いすると・・・全く問題なかったそうです。
そして、これでさらに減薬かな?と思っていたのですが・・・
突然ですが、もう漢方薬は必要ないような気がしました。
そのため、この日は漢方薬を出さず様子をみていただくことにしました。
ただ、実際にそれでよいのか?を確認するため、改めて2週間後にご相談に来ていただくことにしました。
そして2週間後来られた際に様子をお伺いすると・・・
2週間全く漢方薬を服用されなくても大丈夫でしたし、改めて東洋医学的なメンタルの問題をチェックしても問題ありませんでした。
完全に自力が付いたのだと思います。
このように突然治療が必要無くなるケースはそう多くは無いのですが、患者さんの基本的な考え方(もともとがプラス思考であったりとか)だとこういう事が起きることがたまにあります。
治療期間としては1年2ヵ月でしたが、最初の状態から考えると思った以上に早い卒業だったと思います。
メンタル的な治療には漢方薬だけでなく、患者さんのマインドみたいなものも大きくかかわっているように思います。
何はともあれ、思った以上に良くなって良かったです。
ホッとしました。
さらに
自律神経失調症以外の症例や漢方の知識に興味のある方は漢方薬局ハーブス公式Instagramもチェックしてみてください。


