HPを見て患者さんが来られました。

ご相談内容は子宮筋腫です。もう少し厳密に言うと、子宮筋腫による月経過多ということでした。

さらにお話をお伺いすると、子宮筋腫が大きくなってきて、それに伴って月経過多になり、その結果、現在貧血になっており、現在、鉄剤の注射を受けているということでした。

そこで検査結果を見せていただいて、現在の貧血の状態をチェックしてみました。

そうすると・・・

赤血球の値は360(正常値376~516×10⁴/μL)
ヘモグロビン8未満(正常値11.2~15.2g/dl)

と結構ひどい貧血でした。

現在の子宮筋腫の大きさを確認すると・・・正確な大きさは分からないみたいでした。

ただ、子宮筋腫が確認されたのは今年に入ってからで、約半年後に病院で検査を受けた時には前より大きくなっていたということでした。

ただ、この話から、どのタイプの子宮筋腫か想像がつきました。

漢方治療イメージ

子宮筋腫には大きく分けると、漿膜下筋腫、筋層内筋腫、粘膜下筋腫の3つがあるのですが、これは子宮筋腫のできる位置で分けているのです。

漿膜下筋腫は子宮の外側にできる子宮筋腫で、筋層内筋腫は子宮の筋層にできる筋腫で粘膜下筋腫は子宮の内側にできる筋腫なのです。

そしてこの患者さんは私の予想した通り粘膜下筋腫ということでした。

粘膜下筋腫は子宮の内膜のすぐ下に筋腫ができるため、筋腫のない人に比べると子宮内膜の表面積が増えるのです。

子宮内膜の表面積が増えるという事は、剥がれる子宮内膜の量も増えるという事です。

剥がれた子宮内膜が生理(出血)となるわけですから、粘膜下筋腫は他の子宮筋腫と比べて生理の量が増えるという訳です。

そして当然、筋腫の大きさが大きくなればなるほど、子宮内膜の表面積が増えるわけですから生理(出血)の量は増えるわけです。

そこで、子宮筋腫に用いる漢方薬の中から、この患者さんに合う漢方薬を探すため、東洋医学的な問診やその他のチェック行いました。

通常、子宮筋腫は漢方的には瘀血(おけつ⇒血流障害)が原因で起こると考えられているのです。

そのため漢方薬は駆瘀血薬(瘀血を改善させる薬)が用いられるのですが、この患者さんに関しては瘀血(おけつ⇒血流障害)に加えて血虚(けっきょ⇒女性ホルモンの働きの不足や貧血などを含んだ考え方)も同時に改善させるような漢方薬が良いように思いました。

体質改善イメージ

そこで、この瘀血と血虚の両方を改善できるような漢方薬の中からこの患者さんに合うと思われる漢方薬を選んで飲んで頂くことにしました。

そして2週間後来られた際には、まだ生理が来ていないということで、再度、漢方薬をチェックし、この患者さんに合っていることを確認して再び2週間分お出ししました。

そして2週間後来られた際に様子をお伺いすると・・・

まだ、生理が来ていないという事でした。そこでさらに2週間同じ漢方薬をお出ししました。

そして2週間後来られた際に様子をお伺いすると・・・

生理が来たそうです。

そして、生理の量も、血の塊もかなり減ったそうです。

漢方薬を飲む前は、多い日も安心のナプキンでも間に合わず、夜中に起きてナプキンを交換していたそうですが、それをしなくて良くなったそうです。

また、汚い色でなかなかすっきり終わらなかった生理が、きれいに終わったそうです。

まだまだ漢方薬は飲み始めですが、著効だと思います。

ただ、症状が改善しても子宮筋腫の大きさが変わらない事が結構あるので、完全に安心することはできないのですが、ちょっとホッとしました。

さらに

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