最近、本当に風邪の患者さんが多いです。
通常、風邪に関しては日ごろから来られている患者さんが、症状がこじれたりして早く症状を取りたくて相談されたり、もともと通われている患者さんで、できるだけ風邪にかかりたくない患者さん、それからもともと主訴が呼吸器疾患で風邪などでご相談の主訴が悪化する可能性のある非結核性抗酸菌症(肺マック症)や気管支喘息、間質性肺炎など呼吸器のご相談で来られていた患者さんが多かったのです。
ところがこの夏は紹介でこじれた風邪を治したいと新規で風邪の相談に来られる患者さんがおられるのです。
新型コロナの後遺症でご相談に来られている患者さんも多くおられます。
風邪のご相談は通常、インフルエンザなどの流行る冬が多かったのです。
というのも冬は湿度が低下することでウイルスが感染しやすくなります、そして温度も低いため免疫力が低下して入ってきたウイルスに対して通常よりも免疫力が働きづらいためです。
ところが、今年はまだ梅雨入り前なのに、真夏を思わせる温度とじめじめとした多湿な感じであるのにも関わらず、めちゃめちゃ風邪の患者さんが多いのです。
そして、通常、夏に引く風邪はクーラーなどを使い過ぎての寝冷えや胃腸風邪の類が多かったのです。
ところが今年の夏風邪は真冬の風邪のような喉にまとわりつくような痒み、痛みを伴い、それと同時に咳も伴う症状が多いのです。
なので、風邪で来られる患者さんのほとんどの方が喉に何か引っかかっているのを取るような咳払いをされるのです。
ただし、多くの患者さんは、それほどの熱は出ないですし、新型コロナの検査を受けても皆陰性なのです。
でも感覚としては喉の症状や咳の感じ、予後の悪さなどは新型コロナによく似ているのです。
実際、こういう患者さんに従来用いていた喉の痛みから来る風邪の漢方薬が合うかチェックしてみると全く合わないのです。
むしろ、新型コロナの時に用いるような漢方薬が合っているのです。
そして、これらの患者さんの中には病後に味覚障害や嗅覚障害を発症する方もおられるのです。
ただ、幸いなことにこの味覚障害や嗅覚障害は新型コロナウイルスのように、病後何か月経っても回復しないような重度のものではないケースが多いのですが、発症してから２～３週間経過しているのにも関わらず、治りそうな気配がないためご相談に来られる方も多いのです。
こういう方に合う漢方薬を苦心して探して服用していただくのですが、もちろん、漢方薬を飲み始める前よりは確実に良いのですが、良くなり具合が今までの風邪と比べて明らかに遅いのです。
個人的な感覚ですが、今までと風邪の性質そのものが変わってきている気がします。
