胎卵もしくは胎児が子宮内で死んでしまっているのに子宮内にとどまったままの状態が続きいている状態です。
妊娠された本人には腹痛や出血などの自覚症状を伴わないものです。
一般的にはエコー(超音波検査)によって発見されます。
稽留流産の原因
稽留流産の最も大きな原因は胎児側の染色体異常などと考えられていますが、母体の側の問題でも生じることがあります。
染色体異常の場合は改善のしようが無いですが、母体側の問題であれば改善の可能性があります。
母体側の問題としては次の様な可能性が考えられます。
抗リン脂質抗体などの自己免疫の問題
抗リン脂質抗体などの自己免疫疾患が原因で胎盤付近の血流が悪くなり、胎児に十分が血流がいかず、結果として栄養供給が不十分となって生じる場合があります。
こういう場合、心拍は確認できたが翌週の検査では心拍が見えなくなっていたというケースに多い気がします。
東洋医学的不妊体質
体質的な冷えの問題や血流の問題、十分に栄養を供給できない、加齢の問題など様々な問題が考えられます。
稽留流産となる確率
はっきりとしたデータではないですが、おおよそ20代で10%~20%の頻度で稽留流産になるといわれています。
高齢になればなるほどこのリスクは上がるといわれています。
稽留流産の起こりやすい週数
一般的に6週~7週くらいの間で起こりやすいといわれています。
しかし私の経験から10週までは起こりやすいです。
特に高齢になればなるほど週数は長めでみておいた方がいいと思います。
稽留流産の病院での治療
週数・胎児の大きさによってことなります。
自然流産を待つケースと掻爬手術を受けるケースがあります。
掻爬手術が行われる場合というのは、自然流産する気配がない場合や胎児がある程度成長していて流産する際に大量の出血が予想される場合、患者さんが痛みに対して敏感な場合、子宮の形が先天的に通常とは異なる場合などです。
本人の希望ももちろん加味されます。
掻爬手術にかかる時間・費用
治療時間そのものは10分前後のものです。
ただし、その前後に検査を行うため、一泊することもあります。
費用に関しては5万~10万円のようです。
もし稽留流産を繰り返してしまった場合
流産を3回以上繰り返す場合を特に不育症(習慣性流産)といいますが、2回でも同じことを繰り返してしまった場合には不育症の検査を受けられることをお勧めします。
東洋医学からみた稽留流産
東洋医学からみた稽留流産の原因はほとんどが漢方医学からみた不妊の原因と重なります。
その中でも原因として多いのは血虚と瘀血です。
それらの原因を治療してゆくことが稽留流産の予防になりますし、ひいては習慣性流産の体質改善につながります。
稽留流産を乗り越えて妊娠された患者さんのお喜びの体験談
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