このページは胸郭出口症候群の治療に関する漢方薬局ハーブスの情報ページです。

ここでは胸郭出口症候群の概要、症状、原因、病院での治療、一般的な漢方治療、漢方薬局ハーブスの提唱するオリジナルの理論及び漢方薬による治療法について書いています。

胸郭出口症候群とは

上腕や肩や手の運動や感覚に深く関わる腕神経叢という神経の束と鎖骨下動脈や鎖骨下静脈という血管が胸郭を出たところで圧迫されて、手から肩にかけてしびれや痛みを伴う疾患です。

胸郭出口症候群はなで肩の30代から50代の女性に多く発症します。

 

胸郭出口症候群の症状

胸郭出口症候群の症状としては首から肩そして腕の内側に沿って手まで痛みやしびれチクチクするような感覚、それ以外に熱感や冷感や脱力感訴えるケースもあります。

また人によっては症状のある側の手や腕や肩がむくんだり、鎖骨下動脈が強く圧迫され、レイノー症候群を発症することがあります。

レイノー症候群とはちょっとした冷たいものや冷気などに触れる(冷蔵庫開ける)だけで指先の血流が悪化して、悪化した手指周辺の皮膚が青白くなる病気です。

多くの場合、そばつゆの症状と共にしびれ、チクチク、灼熱感などを伴うことが多いです。
また、腕神経叢の神経障害が持続すると筋力低下を起こすこともあります。

この筋力低下が長期化し、尚且つ、重症化してくると、手の握力の低下や指先の機能や感覚が低下し手を使っての細かい作業がしにくくなります(今までよりも不器用になります)。

胸郭出口症候群の方は肩を上げて後ろに反らすような動作( バスや電車に乗ってつり革を握っている姿勢)
や首を反対側に傾けてさらに後ろにそらす動作(重たい鞄を片手で持ち上げようとするような動作)
をする際に症状が強くなるのも特徴です。

胸郭出口症候群の原因

胸郭出口症候群の原因

鎖骨周辺の神経や血管を圧迫する原因はいくつかあり、それらのいくつかの原因によって生じた症状をまとめて胸郭出口症候群と呼んでいるのです。

そのため、実際には胸郭出口症候群は原因によって以下の四つに分けることができます。
斜角筋症候群・・・前斜角筋と中斜角筋の間で腕神経叢や鎖骨下動脈が圧迫されたり締め付けられたりすることで起こる場合
肋鎖症候群・・・鎖骨と第一肋骨の間で腕神経叢や鎖骨下動脈が圧迫されたり締め付けられたりすることで起こる場合
小胸筋症候群・・・小胸筋の肩甲骨烏口突起停止部付近で腕神経叢や鎖骨下動脈が圧迫されたり締め付けられたりすることで起こる場合
頸肋症候群・・・主に第7頚椎の横突起が異常に発育して肋骨ように頸部の側面に伸びてきた結果、第一肋骨に接したり、その周辺にある腕神経叢や鎖骨下動脈を圧迫したりすることで起こる場合

しかし、実際にはそれぞれ胸郭出口症候群がどうしてとこるのか正確な原因は西洋医学的には現在のところよくわかっていません。
そのため十分な治療法が確立していないとも言えます。

胸郭出口症候群の病院での治療

胸郭出口症候群の症状が見られる人は理学療法と運動によって改善されることがあります。

また非ステロイド性の抗炎症薬低用量の抗うつ剤を併用することで改善するケースもあります。

重症化した胸郭出口症候群の場合、第一肋骨や頸肋や前斜角筋などを切除する手術が行われるケースもあります。

しかし、手術をしても症状が消えないことが多いことから、最近では、手術療法を疑問視する声もあります。

胸郭出口症候群の病院での治療

一般的な漢方の胸郭出口症候群の原因と治療

漢方から見た胸郭出口症候群の直接的な原因(標治)は瘀血や水毒、血虚です。

瘀血とは血液の流れが滞っていたり血流が悪い状態を指す言葉です。

そのため表面的な治療としては桂枝茯苓丸や温経湯など末梢の血管の血流改善するような漢方薬を用いたりします。

水毒とは体の中にある水の偏在(偏り)若しくは水分代謝異常が影響して病気を生じさせるものです。

もう少し具体的に言うと胸郭出口症候群によって肩から腕、手、指にむくみを生じる方がおられます。この浮腫を生じさせる原因が水毒なのです。

また天気の悪い日(湿気の多い日)に症状が悪化するような場合にも水毒が関係してるというふうに考えられるのです。

水毒が原因の場合には五苓散などの体から余分な水を取り除く漢方薬を用いられることがあります。

血虚とはその名の通り血が不足した状態を表す言葉です。

婦人科の場合に用いられる血虚の意味は主として女性ホルモンの不足や貧血として使われることが多いのですが、整形外科的な痛みの原因としての謙虚というのは血管の栄養状態が良くないという意味として用いられる用語です。

特にレイノー症候群の場合、標治的な原因として血虚であることが多いです。

ただし、これらの標治的な治療だけで胸郭出口症候群を治療するのはなかなか難しいことです。

漢方治療イメージ

漢方薬局ハーブスオリジナルの胸郭出口症候群のを起こす本当の原因と漢方薬による治療

整体治療を行っていた私の経験から間違いなく言えることは、胸郭出口症候群の根本的な原因は関節の問題だということです。

具体的には胸鎖関節、肩鎖関節の関節の噛み合わせ、動きに問題があることで胸郭出口症候群は生じるのです。

ではどうして胸鎖関節、肩鎖関節の関節の動きに問題が起こると胸郭出口症候群となってしまうのか?

胸鎖関節、肩鎖関節に問題が生じ、動かずロック(固定)してしまうと、 結果として鎖骨が動かなくなり、通常、鎖骨が存在する位置よりも深い位置でロック(固定)してしまうのです。

そうすると、鎖骨の下をくぐっていた腕神経叢や鎖骨下動脈は、鎖骨が通常よりも下でロック(固定)した分だけまわり道をすることになります。

回り道をするということは、つまり、腕神経叢や鎖骨下動脈が伸ばされて引っ張られた状態になっているということになるのです。

この神経や血管が伸ばされることによって神経や血管の直径は短くなります。

管の中を流れる気体や液体の流量は管の直径の4乗に比例して増えるというポアゼーユの法則があります。
血液の流れも血管の中を流れる訳ですから、当然このポアゼーユの法則に当てはまります。

この法則から言えることは血管の直径が大きくなればその4乗倍血流が良くなるわけです。

簡単に言えば飛躍的に血流が良くなるということです。

逆に血管が引っ張られて結果の直径がちょっとでも細くなれば、思っている以上に血流が悪くなるということです。

そのため、この肩鎖関節、胸鎖関節の関節の動きを改善させることによって鎖骨の位置が少し良い位置変化すると、腕神経叢や鎖骨下動脈の引っ張りが緩和されます。

この引っ張りが緩和されたぶんだけ腕神経叢や鎖骨下動脈の直径が長くなります。
その微妙に長くなった直径の4乗倍だけ管内の流量が増えるのです(血流が改善するのです)。

そのため、この引っ張り加減の現象が、ほんの少しの変化であっても血流が思った以上に変化するため、それが痺れや痛みの低下に繋がるのです。

私が過去に整形外科の専門書や有名な病院のホームページなどを読んでみても、いずれも胸郭出口症候群を腕神経叢と鎖骨下動脈の圧迫や狭窄が原因という視点でしか捉えているものはありませんでした。

この不完全な視点で物事を考えているため、西洋医学ではには完全に治すことはできないのだと考えています。

逆に言えば、で漢方治療を行えば、時間がかかったとしても完治する可能性があるのです。

この視点で漢方薬による治療を行っているのは、全国でも唯一私の漢方薬局だけだと思います。

そのため、過去に他の漢方薬局で胸郭出口症候群の治療を受けられて改善しなかった方も、是非一度ご相談頂ければと思います。