皆さんは身土不二という言葉をご存知ですか?

身土不二とはその土地で採れた旬の食材がその土地で育った人の体を補うという、食養生の中の基本原則の一つともいうべき重要なものです。

この原理原則で物事を考えていくと、どんなものを食べた方がいいかどんなものは食べない方が良いかが分かるようになってきます。

これから時々、日々の患者さんから質問を受けたことや実際の患者さんの悩んでる症状がこの身土不二の考え方によって改善したお話など載せていきたいと思います。

今日はメンタルの問題で通われている患者さんの話をしたいと思います。

この患者さんはめまいや喉のつまり、頭痛などのご相談で来られている方です。

それらの症状は日々変化したりします。

この日々変化したりしするというのがメンタルが原因の症状の特徴の一つなのです。

そしてこの日、相談に来られた時には下利と腹痛がすると言われるのです。

下利も痛みも激しいものではないのだけども、痛いは痛いということでした。

この話を聞いて最初はメンタルかな?と思いました。

というのもお腹の痛みもメンタルが原因で起こるからです。

一般的に過敏性大腸炎と言われるものです。

しかし、 お話を伺いしても、どうも今週、特別ストレスが大きくかかったようなこともなく、全体的な症状は落ち着いてきている印象です。

ストレス改善イメージ

そうするとストレスで新たにお腹が痛くなると考えるのには少し無理があるように思いました。

そして腸の状態の反応の出るツボと精神的なストレスの反応の出るツボもチェックしてみたのですが 、 腸の反応が出るツボと精神的なストレスの反応出るツボの反応が一致しない感じでした。

つまりストレスからの腸の痛みではないように感じたのです。

このような場合、次に考えられるのが何か新しく始められたことによって出てくる問題です。

多くの場合は健康に良いと思って新たに始めたことが問題の原因になってることが多いです。

そこで最近新たに始めたことや食べ始めたもの飲み始めたものなどがないか伺いしました。

そうすると健康のために始めたことはないが、海外資本の大きなスーパーで外国製のお水を買ったとのことでした。

これはとても怪しいと感じました。

そこでこのお水をとりあえず1週間飲まないようにしてもらうことにしました。

そして、1週間後の今日、来られてお話をお伺いすると・・・お水を飲むのを止めてすぐに下利と腹痛がなくなったそうです。

ということで今回の原因は外国製の水が原因でした。

ここでもう一度、身土不二について説明します。先ほど身土不二とはその土地で採れた旬の食材がその土地で育った人の体を補うという考え方でしたが、これはもう少し視点を変えてお話しすると、その土地以外のもの(日本以外もの→例えば外国産の遠くでできたもの)はストレスになりやすいという事なんです。

今回の例は非常に簡単なので解説します。

日本の水は軟水です。軟水とはミネラルが少ない水です。

外国産の水は多くの場合、硬水です。硬水とはミネラルの多い水です。

このミネラルの中で特にお腹に影響を与えるのがMg(マグネシウム)です。

これはお腹に作用すると便を柔らかくして下利をさせる性質があるのです。

これがメインの医薬品が酸化マグネシウムで病院で緩下剤として使われます。

これは便が固くて便秘の人には便を柔らかくして便通を良くするので重宝されるのですが、もともとが普通便の人には便をより柔らかくして排便を促すのです。

つまり、普段、軟水(日本の水)を飲んでいたのに硬水(外国の水)を飲むことによってこの硬水が弱い緩下剤として働いたのだと思います。

当然、今お話ししたように便が固めの便秘の人にはちょうど良くなる可能性もあるのですが、もともと軟水になじんでいて排便に異常がない日本人には異常が出ることがあるのです。

このように遠くでとれたものはストレスになることがあるということなのです。

ぜひ知っておいて下さい。