風邪と副鼻腔炎(蓄膿症)について

副鼻腔炎(蓄膿症)は不快な症状です。

通常鼻に何も問題が無い方でも、風邪を引いたときには一時的に副鼻腔炎(蓄膿症)の症状を出すことがあります。

副鼻腔炎(蓄膿症)になると、息が苦しく、頭がぼーっとして思考がうまくできなくなったります。

私はもともと副鼻腔炎(蓄膿症)はないので風邪が収まればこの症状は消えるのでほんとに一時的なことなので我慢できますが、慢性的にこの症状の方はほんとに大変だと思います。

副鼻腔炎(蓄膿症)の患者さんは体質改善の目的でうちのような漢方薬局に来られるわけですが、このような副鼻腔炎(蓄膿症)の患者さんの体質改善の目的に出す漢方薬として比較的多いのが胃腸を良くする漢方薬なのです。

なぜ胃腸薬を出すのかというと、これは東洋医学の五経理論に基づいているのです。

まず副鼻腔炎(蓄膿症)を起こしている原因の臓器は東洋医学の五臓六腑に当てはめると肺ということになります。

東洋医学では呼吸に関連する部分はすべて肺と考えるのです。

そしてこの肺にエネルギーを供給しているのは五臓六腑では脾になります。

脾を現代医学に置き換えると消化器系(胃腸)ということになります。

副鼻腔炎(蓄膿症)は肺の病気と東洋医学では考えますが、これが一過性でなく慢性化するということは、もともとの肺が普通の人と比べて弱いということになります。

じゃあなぜ肺が弱いのか?それはその肺にエネルギーを供給している脾(胃腸)の働きが弱いから、十分肺にエネルギーを供給できないため、肺が弱ると考えるのです。

そのため肺を良くするための体質改善にその大元を良くする脾の薬(胃腸を良くする→胃腸を良くする薬)が用いられるのです。

しかし風邪を引くとばい菌が身体に入ってきてそれが副鼻腔で増加して、そこに免疫細胞が来て戦いますが、もともと副鼻腔炎の患者さんは鼻付近の免疫力が低いため、鼻にいるばい菌を殺しきれず慢性化してしまうのです。

そのため、副鼻腔炎(蓄膿症)の患者さんで大事なのは、脾を良くしてゆくことと同時に風邪を引かないことなのです。

身体の免疫力は急には良くならないので、良くなるまで新しいばい菌を極力入れないことが重要なのです。