恐らく血虚と思われる不妊症の患者さんの基礎体温が漢方治療で改善した例を簡潔に書いています。

この方は40代後半(45歳以上)の方です。

今までは近くの産婦人科で不妊治療を受けていたのですけれども突然2ヶ月くらい生理がこなくなり、不安になって私の漢方薬局に相談に来られたのでした。

最初に来られた時には基礎体温をつけ始めたばかりで何もわからない状態でした。

そこで病院の検査データと問診、糸練功などで判断することにしました。

病院の血液検査による女性ホルモンの値をチェックしてみると血虚(女性ホルモン不足)腎虚(卵巣機能の老化)と思われる大きな所見は見当たりませんでした。

また突発的な生理不順を起こす要因にはストレスが関連することもありますし、瘀血(血流障害)でも突発的な生理不順を生じることもあります。

そこでストレスに関して問診でお話を伺いしたのですが、特にストレスが要因と思われるようなことはありませんでした。

そしてなおかつ瘀血の状態は舌に出るのですけれども、この方の舌は特に瘀血がひどいということもありませんでした。

そうすると大きな初期は見当たらないのです。

けれども、さらに問診を進めていくと、最近生理の周期が短くなってきていたということがわかりました。

このように早く生理が来る場合というの血熱の可能性もありますけれども血熱では生理が来なくなることはありません。

そうすると血虚や腎虚である可能性が高いのです。

そこで糸練功用いて血虚もしくは腎虚の薬で合う薬があるかどうかを調べてみると血虚の薬が合っているように感じました。

そこで血虚の薬を2週間飲んで様子を見ていただくことにしました。

血虚の基礎体温

そして2週間後まだ基礎体温を見た時に高温期は来ていなかったのですけれども、糸練功でチェックするとまだ漢方薬は合っているように感じられました。

そこでさらに4週間同じ薬を服用していただくことにしました。

そして4週間後に来られた時にはあまり綺麗ではないですけれどもちゃんと高温期が来て基礎体温が二層に分かれていました。

血虚の基礎体温2

この基礎体温表からわかることはひとつには血虚の薬は方向性としては合っているだろうということ。

それはなぜかというと生理が来たからです。

漢方では生理として出す血が不足すると生理が来なくなると考えます。(それが血虚です)

生理が来たのは出す血が増えてきたからと考えるのです

あともう一つはこの漢方薬は合っているかもしれないけれど、もっと合う薬があるのではないかということです。

それはなぜかというと基礎体温の高温期の高さや長さが不十分だからです。

この薬を継続して良くなる可能性ももちろんあるのですが、もっと合う薬があるかもしれないとも思えるのです。

そしてこの話には続きがあります。

それはまた別の機会に書きます。